三重県紀北町、大紀町 2006年5月21日

 紀北町、大紀町と似たような町名だが平成の大合併前の紀伊長島町と紀勢町。まだ新しい町名ではしっくりとはいかないのであるが、紀北町の海岸沿いの神社までミカドアゲハを見に行った。

 この場所で写真を撮れそうなのは神社の際に1本だけ植えられている3mくらいのニホンタチバナの花だけ。予想はしていたがやはりネットを持った先行者がいた。 ミカドアゲハは時々高い木々の梢からこの花に舞い降りてくれるが、やはりネットには勝てません。あまり満足な撮影はできなかったので、早々に切り上げることにした。

 ミカドアゲハ飛翔 三重県大紀町

 向かったのは連休中に一度行った大紀町の山。このときは天気が良くなくてスミナガシが撮れなかったのが残念だったので、もう一度、登ってみることにした。 登り口のところでアオスジアゲハが花に来ていた。前回は途中で目を楽しませてくれたツツジの赤い花もすっかり散ってしまって、殺風景なウバメガシの林の小径をひたすら登る。途中、展望が開けた露岩地でアオスジアゲハがゆったりと占有行動をとっていた。

 アオスジアゲハ吸蜜 三重県大紀町

 一時間ほどの登りで山頂に到着。山頂ではモンキアゲハ、カラスアゲハ、クロアガハ、アオスジアゲハが時折飛ぶ程度で、アオバセセリなどはいなかった。

モンキアゲハ♂飛翔 三重県大紀町

 

 

 

山頂近くの斜面をアオスジアゲハがゆったりと飛んでいる。眼下に見える浜辺は、数年前に原発の誘致で話題になった芦浜海岸。誘致の話がとぎれてひっそりとしたもとの静かな浜に戻っている。 山頂に座っていると、時折、小鳥のさえずりが聞こえるだけで、遠い海岸の波の音までが聞こえるような静かな時間が過ぎていく。連休の時には何組かのハイキングを楽しむ人に会ったが、快晴の日曜日だというのに今日は誰一人出会わない。

アオスジアゲハ♂飛翔 三重県大紀町

 午後2時をすぎて、日差しがようやく傾いて心なしか優しくなった頃、ようやく山頂の木陰にスミナガシが現れた。山頂広場を囲むように生えているウバメガシや灌木の上で静止して占有行動をとっている。

スミナガシ♂占有行動 三重県大紀町

 立木にも止まったが、自慢の赤い口紅は見せてもらえなかった。3時頃になるとアオバセセリも加わって、スミナガシと一緒になって追尾バトルを繰り返していた。耳元を飛ぶとブンという羽音までも聞こえてきて迫力満点。

スミナガシ♂占有行動 三重県大紀町

 午後4時に近くなるとスミナガシは姿を見せなくなった。アオバセセリはまだ盛んに飛び回っていたが、だいぶ羽が傷んでいるように見えたので、あまりがんばる気にもならず、適当なところで切り上げて帰途についた。

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