東京 多摩動物公園 2007年2月3日  

 冬晴れの一日、多摩動物公園の昆虫館を訪れてみた。振り返ってみると、今回で3回目、いつも寒い冬の日の訪問である。
蝶の大温室にはいると、そこは亜熱帯の世界。いろいろな蝶たちが飛び交っている。このような温室での撮影は釣り堀での釣りのようなもので緊迫感はないが、次から次への蝶たちが舞い飛んでくれて、それなりに楽しいものである。また私と同じようにカメラを抱えた虫屋のような人も数人。

 いつもたくさん群れ飛んでいるカバタテハやオオゴマダラなどの常連以外に、今回初めてコノハチョウを見た。垂直の壁に茂ったシダの葉の上で占有行動をとっている。同じ所に2匹いたが、どちらもちょっと擦れた個体だったのが残念。

 

あいかわらずオオゴマダラは個体数も多く、いろいろな場所でポーズをとってくれる。

 ランタナを訪れる蝶の撮影に飽きた頃、流れ脇の石で吸水するイシガケチョウを発見したので撮影。これは新鮮な個体。 
 

 

 後翅の青い鱗粉がきわめて発達したナガサキアゲハの♂。オオゴマダラとのツーショット。

 ナガサキアゲハの雌は無尾とこの写真のような有尾のものとがいた。これはどこから連れてこられた蝶だろうか。台湾?国内産じゃないでしょう。ナガサキアゲハは、いろいろ地理的変異が有ったり、国内でも♂のような黒い♀が記録されたりして、いろいろ話題のある蝶である。そして、最近は関東地方にも進出している。このような状況の中で、故意、あるいは不注意で逸出したらと思うと、このような不特定多数の人がが訪れるような蝶温室で展示してほしくないと思う。

 

 イシガケチョウに続いて、もう一枚、水辺のタテハモドキ。水を吸うのだったら、もう少し低いところのほうがいいのに。 

ちょこまか飛んでなかなか撮影しにくいベニモンアゲハ。

 たくさん飛んでいるオオゴマダラの追尾。このアングルで、この設定条件で撮影すると温室の中であることが一目瞭然。

       

 フィールドで野外で蝶が飛び始めるには、まだまだ2ヶ月近くあり、暦の上での春になったばかり。そんな寒い中で舞飛ぶ蝶の姿を見ることができて楽しいひとときを過ごすことができた。 

帰りに寄った百草園のフクジュソウを最後に。これで気分だけでも春を感じられるでしょうか。

        

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