神奈川県藤沢市   2008年5月9、15日 新緑の中での静かなバトル

 私事ではあるが、約6年間の東京での単身赴任生活を終えて6月末の予定で三重県に戻ることになった。それまでできるだけ関東のフィールドを歩いておこうと思い、時間を取って藤沢市の公園へ出かけた。

 ちょっと小高い所のアゲハチョウの通り道では、モンキアゲハとアゲハのバトルが見られた。バトルといっても体の大きなモンキアゲハが小さなアゲハに情けなくも一方的に追いまくられているだけである。こういう場面は他の所でも目撃しているが、これだけ体の大きさに差があるのだから、モンキアゲハにはもっとがんばって欲しいと思う。どこにでもいるナミアゲハとは違ってモンキアゲハはわざわざ電車に乗って採りに行く蝶であり、私にとっては子供の時からそれなりに貴重な、畏敬の念を持っている種類なのだ。

 道添いの草地ではダイミョウセセリの♂同士が、長い時間あらっていた。新鮮な個体と、いくぶん破損が見える個体。何度か争っていたが、いつもなわばりを守るのはちょっと破損した方だった。

ダイミョウセセリ卍飛翔 神奈川県藤沢市 

 ヒメウラナミジャノメも今が最盛期で、これも出会うたびにお互いを意識してバトルを繰り広げる。でもこの種類のバトルはそれほど長時間は続かず、すぐにあっさりと別れてしまう。

ヒメウラナミジャノメ卍飛翔 神奈川県藤沢市

 それに比べるとコジャノメの場合は、もう少し長い間お互いを意識して飛び続けている。

コジャノメ卍飛翔 神奈川県藤沢市

 この2匹のコジャノメが争っていると、通りかかったヒメウラナミジャノメがバトル飛翔に参加した。下の写真では3匹が入り乱れてバトル飛翔を繰り広げている。

コジャノメ卍飛翔 神奈川県藤沢市

 静かな新緑の中のあちこちで盛んにバトルが繰り広げられている。みんな生き抜くために一生懸命なのだろう。

 そして、ようやく上空にアカボシゴマダラが登場。実は今日の主目的はこの蝶の撮影でした。ワンチャンスだったが、春の白いアカボシをなんとか写すことができた。そして、この後すっかり曇ってきたのでアカボシはもう飛ばなくなった。

アカボシゴマダラ飛翔 神奈川県藤沢市

 午後4時過ぎ、帰る途中に公園の中央の池に植えられているアヤメ(?)の花で睡眠に入っているモンシロチョウを見つけた。雨粒でも花に乗っていればもう少しいい雰囲気の写真になったかも知れない。

 というところで、この日の撮影はおしまい。

翌週の5月15日も同じように藤沢市のポイントを訪れてみた。

 アカボシゴマダラは個体数を増しており、すぐ近くの葉上で開翅してサービスしてくれた。

アカボシゴマダラ春型開翅 神奈川県藤沢市

アカボシゴマダラ春型開翅 神奈川県藤沢市

アカボシゴマダラ春型開翅 神奈川県藤沢市

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