北海道 大雪山 2008年6月22日 |
天気予報では午後から回復して晴れると言うことだったが、早朝、宿の窓から見たらすでに青空が広がっていた。天気予報は悲観的、言い方を変えれば安全サイドの予報を出す傾向があり、この青空は十分期待できる状況だった。出発予定時刻を少しはやめて大雪山に登った。目当ては高山蝶3種類。なかでも黄色いウスバキチョウを見たかった。前回登った時は6月末であり、♂はもちろんのこと、♀でさえもあまり黄色くなかったのが残念だった。 短靴だったので、足下を注意しながら雪渓を登って約1時間で目的地に到達。 現地でお会いした同好者がダイセツタカネヒカゲを発見されたので撮影させていただいた。
天気は良くぼつぼつウスバキチョウが飛び始める。狙っていた「雪渓ののこる高山をバックにした黄色いウスバキチョウ」の構図の写真が最初のチャンスで撮れた。
登山道の周囲にはロープが張ってあり、失敗するとこのような写真になる。
足元を見るとウスバキの♀が止まっている。これも新鮮な個体。
昨日の雨が残ったコマクサに止まるウスバキチョウ。この株が花を付けていたら最高だったのにね。この日は時折晴れるものの、ガスが次々と湧く状態が続き、山を降りる時までコマクサの葉の水滴は完全には消えなかった。
登山道脇にイワウメの群落がありこれに寄ってくるウスバキチョウがいる。つい足下でイワウメの周りを舞い飛ぶウスバキチョウの姿を観察出来た。この個体はやや色あせており、赤斑も不明瞭なのは残念。
ダイセツタカネヒカゲはも活発に飛んでおり、ウスバキチョウと同様に時々登山道を横切る、このときがチャンスで駆け寄って撮影する。この日、撮影に来られていた皆様、ドタバタと走り回ってお邪魔いたしました。申し訳ありません。
ダイタカは2頭が卍巴飛翔するときがあり、このときが絶好の撮影チャンスなのだが、これも油断するとロープが入ってしまう。
こうして11時くらいまでにウスバキチョウとダイセツタカネヒカゲはかなり撮影できたように思ったので、残るアサヒヒョウモンを見に行くことにした。この蝶はここでもいるのだが個体数は多くなく、さらに20分くらい登ったところがいいポイントである。 現地に着くと以前に来たときと同じく、たくさんの個体がヒースの上を緩やかに飛んでいるのを見る。天気も良かったので、意識して背景の山を入れた写真を撮影する。この蝶はほとんど止まることがないので飛翔写真の方がチャンスが多い。
時折ガスもでるが、すぐに晴れると言う具合で良好な天候だった。ヒースの上を舞い飛ぶウスバキチョウの♀。すでに交尾嚢を付けたやや色あせた個体のようだった。ここでは先ほどの場所とは異なりウスバキチョウは多くない。 ガンコウランに止まって産卵中のアサヒヒョウモンをみる。腹端が写っていないのが残念。
その後、だんだんとガスが濃くなりはじめたので戻ることにした。途中で撮影した花もベールをかぶったよう。 もとのウスバキポイントはガスの中に包まれていた。時折明るくはなるが蝶が飛び出すほどではなく、ずっとこのような天気だったとのこと。みんなが注視する先にはハイマツの枝先にウスバキチョウが止まって天候の回復を待っている。
雑談しながら天候の回復を待っていると、一匹の綺麗な蛾が飛来した。ダイセツヒトリという特産の珍品とのこと。この蛾の写真はどこかで見たことがあると思っていたが、神保一義氏の書かれた「高山蛾」という本のカバー写真の蛾だった。昼飛性の蛾で、キバナシャクナゲを食べるという。
このあとガスも濃くなり晴れそうになくなったので、山を降りることにした。ラジオによると旭川は快晴とのこと。確かに札幌への道中は抜けるような青空で、まぶしい太陽が輝いていた。札幌に戻り、4日間もおつきあいいただいたアブドゥさんとはここでお別れ。どうもありがとうございました。
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