三重県大紀町ほか 2009年6月6日 |
前週はキナンウラナミアカシジミの撮影ができなかったので翌週も大紀町へ。まず朝方の雨が上がったウバメガシの林を歩いてみる。長い竿でウバメガシの枝先を軽くたたいてみるとキナンウラナミアカシジミが舞い降りてきた。できればウバメガシの下枝にとまってほしかったのだが・・・。それでも何となく暖帯林の林床の雰囲気にはなった。ただ、残念ながらすでに色褪せていた。
最初は紀伊半島の山の中で見つかったこの蝶であるが、今日撮影できた場所は海から100mも離れていない。この辺りの自然林はウバメガシがびっしりと映えているところが多く、おそらくこの蝶はどこにでもいるのだろう。 一応は目的とする蝶が撮影できたので、海添いの国道を走ってみる。明らかにキナンウラナミアカの勢力範囲なのに原名亜種が好むクヌギの林がある。キナンはこのクヌギは食べていないのだろうか? また原名亜種がこのクヌギに発生していないのだろうか? こんなことを考えながら目に付いた蝶を撮影していく。 人家横のイヌビワではイシガケチョウが産卵のために訪れている。
海辺のウバメガシの林ではジャコウアゲハが産卵している。平地では明るい堤防のウマノスズクサにたくさん発生する本種だが、こういう場所がもともとの棲息環境なのだろう。
ウマノスズクサにはすでに幼虫も見られる。
昼頃、峠を越えて宮川流域に移動してみる。 クヌギの枝先でアカシジミが産卵しているのを見る。蝶がとまっている枝先の葉柄の根元に丸く見えるのが卵。この蝶は産卵後には周囲のゴミを卵にこすりつけることが知られている。じっと見ているとちょうど4分間その動作を行った。その間、母蝶は一度も卵の方を振り返ることはなかったが、どのようにしてそのゴミ付け作業の終わりを決めるのだろうか。
近くの下枝で新鮮なミズイロオナガシジミが枝先で休んでいる。
ちょっと飛んで近くの葉にとまったところを逆光気味でも撮影してみる。
そしてウラナミアカシジミの名義亜種。ちょっと遠くてわかりにくいがクヌギの葉表でアリと一緒に何か分泌物のようなものをなめている。
そして枝先の新鮮な個体。少し前にキナンを見た目にはとても鮮やかで大きく見える。
あと2〜3時間くらい待てば、このクヌギの林でウラナミアカシジミの乱舞が見られるだろうが、あいにく所用があり帰途についた。
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