三重県、和歌山県 2015年5月10日 ミカドアゲハ、ウラゴマダラシジミほか |
白馬でのイエローバンドギフの情報に迷いながら、かねてより計画していた南紀方面へ出かけた。最初は三重県のミカドアゲハ。この蝶を写すだけならばもっと近いところに撮影ポイントはあるのだが、これまで行ったことが無い場所を訪れてみた。ちょうど発生時期であり、朝から数頭のミカドアゲハがオガタマノキの周りを飛び回っているのを確認した。でも食樹からそれほど遠くは無い場所に満開のトベラが咲いているのに訪花する気配も無い。ひたすら枝先を飛び回っており、すでに♀を探すような飛び方である。直射日光がきつく、翅の色調がうまく出ない。
とりあえずミカドアゲハの姿を見ることができたので、じっくりと撮影するのはまた別の機会に置いておくとして、次のターゲットのために和歌山県に移動した。
和歌山県のポイントに到着し、撮影を始める。雲一つ無い良い天気であり、海岸付近ではアオスジアゲハが求愛飛翔をしている。非常にのどかな雰囲気である。
海岸近くにあるイボタの花ではアオスジアゲハがいくつも遊んでいる。右の個体は前翅の先端に小さな過剰紋があるハンキュウ型のようだ。
アオスジアゲハに混じって時々カラスアゲハも飛んでくる。きれいな♀がイボタで吸蜜しているのを撮影。
そして昼近くなった頃、ようやく見つけたここの目標であるウラゴマダラシジミ。林の中からふらふらと飛び出して下草に止まった。う〜ん、翅脈が黒ずんでおり、だいぶスレた感じ。ちょっと撮影時期を逸している。やはりこの辺りは相当に発生が早いのだろう。
それでもまだきれいな♂も飛んでいる。
三重県では海岸線に沿ってウラゴマダラは点々と分布している。そして県南部の尾鷲から南には一部分布の空白地帯があるらしい。そしてさらに南に下がった和歌山県のこの辺りではまたこの蝶が分布している。この辺りの個体は三重県の紀北町辺りにいるものに比べて、後翅の翅脈の色が薄く、また黒い帯の内側の黒い点はよく目立つということらしい。
♀も2頭ばかり見られた。
イボタの繁みの中では産卵行動のような姿も見られたが、卵は確認できなかった。
別の♀が飛んでいるところを撮影。この個体はきわめて新鮮だった。開翅をしばらく待ってみたが、翅を開く気配は無い。本当にきれいな写真を撮るつもりならば開くまでこの個体と心中するという方向もあるだろう。でも気短な性格なので翅の表を撮影するために安直に飛翔を狙ってみた。
ここのウラゴマダラのポイントを選んだ理由は海を背景にした姿を撮影出来ることである。都合の良い場所に止まることはなかったので、飛翔する姿を撮影してみた。小さいものの何とか姿を捉えたが、蝶の鮮度が良くなかったのが残念だった。
まだまだ飛んでいる個体はいるのだが飛び古した個体が多かったこと、朝に見たミカドアゲハが夕刻に吸蜜に来るかもしれないと思ったことから、少し早めに引き上げることにした。次回はもう少し早めに訪れたい。
|