2015年9月12日 静岡県森町 ウラナミジャノメ |
いまから10年以上前に静岡県でウラナミジャノメを撮影したことがある。しかしその頃はカメラの画素数が少なく、またあまりきれいに撮れていなかった。その後、撮り直しのために二度ばかり出かけているが、環境が大きく変わってしまってその地では再び見つけることが出来なくなっている。そういう状況なので特に地理的な変異があるわけでは無いのだが、今一度、静岡県の本種を撮影したいと思い、出かけることにした。事前に情報を頂いていたこともあり、比較的スムーズにその姿を見ることができた。 たくさんいるヒメウラナミジャノメをチェックしながらゆっくりと歩いていると、ウラナミジャノメの♂♀の追尾飛翔を見ることが出来た。残念ながら交尾には至らなかったが、♂♀とも近くに止まったのでこれを撮影することができた。いずれもほぼ新鮮な個体だった。♂はその後もしばらくは同じ場所にこだわって飛んでいたので飛翔する姿も何枚か撮影することが出来た。
♀は一度姿を消した後は再びその場所に現れることは無かった。なお♂♀とも何度か開翅する姿が見られたのだが、少し遠い所ばかりで撮影はできなかった。
日射しが強くなってきたせいか、木陰を選ぶように緩やかに飛ぶ個体も見られるようになった。そして木陰の下草に静止して止まってしまう個体もいた。道から外れた場所でそんなふうに静止されると見つけるすべがない。
最初に見つけた♂が下草のシダの周りを緩やかに飛ぶ姿を撮影。
まだ翅表を撮影できていないが日射しがさらに強くなってきたため、開翅するのは難しいだろうと思い、ここでの撮影を切り上げることにした。ちょうど昼食の時間で一休み。
日射しは強いのであるが、何とか開翅する姿を押さえることが出来た。
コマツナギの群落の上を緩やかに飛ぶ♂。
河川敷のヤナギではコムラサキも飛んでいたがクロコムラサキは見られなかった。 三重に戻る途中の愛知県でもウラナミジャノメを探してみたが、こちらでは全く見ることができなかった。
またサンショウの周りでは♀が産卵するために緩やかに飛び回っていた。ウラナミジャノメが見られなかったことが少し残念で気分が乗らなかったが、こんなに新鮮な個体ならもう少し気合いを入れて撮影しておけば良かった。「撮れる時に撮っておかないと、後で後悔する」という過ちをまた繰り返してしまった。
またしばらく歩いているとメスグロヒョウモンの交尾を見つけることができた。新鮮な個体ならばいい写真になっただろうけど、残念ながら夏を過ぎた今頃では当然ながら♂♀ともに大破した個体。家に帰ってから図鑑で調べると、夏眠の後の9月でも交尾することがあることが記載されていた。また交尾中の飛翔は♂が飛ぶ場合も♀が飛ぶ場合もあるそうだが、このカップルはそのどちらの飛翔も見せてくれた。
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