2017年8月21日 石川県加賀地方 ホシチャバネセセリ   

 約2ヶ月前の6月24日に加賀地方のホシチャバネセセリの第一化を撮影したのに続いて第二化の撮影に出かけた。ただでさえ小さいホシチャバネセセリのさらに小さい第二化で、見つけるのに苦労する。
 この日は朝からカンカン照り強烈な日射しで風も通らない谷筋での撮影で、半ば熱中症になっているのを自覚しながらの撮影だった。

 すでに♂の撮影適期は過ぎているようでスレた個体が多かった。下の個体は♀。この蝶の♂と♀の区別点としては♂の前翅表の後縁部にある性標(発香鱗)を確認するのが確実らしい。ところがこの性標は開翅した蝶をほぼ真上から撮影しないとはっきりとは写せないので、ほかに撮影した写真で確認した。

ホシチャバネセセリ♀ 石川県加賀地方
     ホシチャバネセセリ♀ 開翅 石川県加賀地方 2017年8月21日

 下もたぶん♀。この個体は翅を開かなかったのだが、翅の形や腹の形状から判定。

ホシチャバネセセリ♀ 石川県加賀地方
       ホシチャバネセセリ♀ 静止 石川県加賀地方 2017年8月21日

 ホシチャバネは真夏の高原などで見かける蝶なのだが、それほど暑さには強くは無いのか日射しが強くなると草本や低木の根際に逃げ込んでしまう。この日は9時半頃の手許の測定ですでに30℃を越えて、しかも高湿でむっとしていた。夏の高原では、光は強くても気温そのものはそれほど高くはないので明るい草原でも活動できているのかもしれない。

 ♂のきれいな個体は確認できなかったので、静止写真は諦めて鮮度が多少はごまかせる飛翔するところを撮影。

ホシチャバネセセリ♂ 飛翔 石川県加賀地方
       ホシチャバネセセリ♂ 飛翔 石川県加賀地方 2017年8月21日


ホシチャバネセセリ 飛翔 石川県加賀地方
     ホシチャバネセセリ 飛翔 石川県加賀地方 2017年8月21日

 下は静止していた個体を撮影していた時に飛び上がったもので、いわゆる飛び立ち写真だが、光が十分で1/2500のシャッター速度できれいに撮れたので不本意ながら掲載。

ホシチャバネセセリ♀ 石川県加賀地方
      ホシチャバネセセリ 飛翔 石川県加賀地方 2017年8月21日

 活動時間になると♂は草の上で占有行動をとり、他の個体と活発に争うようになる。そのときに写真のような卍飛翔もしばしば見かけるが、低いところではグルグルッと1〜2秒間だけ回った後、すぐに高い所へ昇ってしまう。この場所は足場が良くないこともあり撮影はしにくい。

ホシチャバネセセリ♂ 卍飛翔 石川県加賀地方
     ホシチャバネセセリ♂ 卍飛翔 石川県加賀地方 2017年8月21日

 こういう場面を撮影するには、近いところに複数の♂が静止しているところでじっと待っていて、動きがあったらすぐに反応できるような体勢をとっておく必要があり、蒸し暑い林内ではかなり忍耐が必要である。

ホシチャバネセセリ♂ 卍飛翔 石川県加賀地方
        ホシチャバネセセリ♂ 卍飛翔 石川県加賀地方 2017年8月21日

 昼を過ぎた頃から花で吸蜜する個体を見るようになった。この個体も別の写真での判定から♀。花はシラヤマギクだろうか。

ホシチャバネセセリ♀ 吸蜜 石川県加賀地方
   ホシチャバネセセリ♀ 吸蜜 石川県加賀地方 2017年8月21日 

 夏のホシチャバネがいる環境を入れて一枚。どこにでもあるような植林地の中の草地である。

ホシチャバネセセリ♀ 吸蜜 石川県加賀地方
        ホシチャバネセセリ♀ 吸蜜 石川県加賀地方 2017年8月21日 

 今回の撮影は、ポイントも明確だし個体変異も無くそれほど変わり映えしない蝶のため、短時間で済ませて次の目標に移る予定だった。しかし暑さのために休養として車に逃げ込んだりしたので意外に時間がかかってしまった。


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