2019年4月6日 愛知県春日井市 ギフチョウ、ナミアゲハなど
           

 愛知県のギフチョウを撮影したく思い、春日井市の産地へ出かけた。愛知県のギフというと岡崎のK湿地が有名だが、人が多いらしいのであまり気乗りがしなかった。
 この春日井市の山はコバノミツバツツジが多く、この花で吸蜜するらしい。しかし花はあまりにもたくさんあるので、ポイントは絞りにくい。



 10時頃、ようやくギフチョウが飛んできて地面に静止した。鮮度は良いもののカケがある個体だった。

静止するギフチョウ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日
静止するギフチョウ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日

 この場所ではスズカカンアオイを食べているそうだ。スズカカンアオイは葉っぱが硬くていかにも不味そうなカンアオイである。三重県の鈴鹿山地の東麓でも以前はこれを食草とする個体群がいたが、鹿による食害が顕著になるよりだいぶ前に絶えてしまったらしい。現在はスズカカンアオイそのものも少なくなっている。それに対して、ここではしっかりと生息しているのは何が違うのだろうか。

 欠けた個体の写真を並べるのは気が引けるので、多少はごまかしが利く飛翔する姿を掲載する。 

飛翔するギフチョウ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日
飛翔するギフチョウ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日

 時には二頭の♂が追尾飛翔する姿も見られた。

追尾飛翔するギフチョウ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日
追尾飛翔するギフチョウ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日

 はじめは頂上付近で撮影していたが、昼を過ぎたので場所を移動し中腹のツツジのポイントで待つことにした。いわゆる午後の吸蜜狙いである。
 待ち始めて約30分で待望のギフチョウが現れたが、あっという間に周りを占拠して飛んでいたナミアゲハに追い払われてしまった。このポイントはギフチョウよりもナミアゲハの方が圧倒的に個体数が多い。

ナミアゲハに追われるギフチョウ 愛知県春日井市 2019年4月6
ナミアゲハに追われるギフチョウ 愛知県春日井市 2019年4月6日

 このような争いでは一対一でナミアゲハに勝てる蝶はいない.。まして何頭ものナミアゲハが飛びまわっている状況では、その隙を狙ってギフチョウがツツジで吸蜜できるチャンスはほとんど無い。

ナミアゲハに追われるギフチョウ 愛知県春日井市 2019年4月6
ナミアゲハに追われるギフチョウ 愛知県春日井市 2019年4月6日

 その後、ナミアゲハはツツジで吸蜜を始めた。きれいな個体だったのでシャッターを切ったが飛び立った瞬間が写っていた。

飛び立ち写真 ナミアゲハ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日
飛び立ち写真 ナミアゲハ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日

 ツツジの上を飛翔するナミアゲハをテリ張り飛翔中を撮影した。気に入った写真なのだが、本当はこの構図でギフチョウの飛翔を撮りたかった。

飛翔するナミアゲハ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日
飛翔するナミアゲハ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日

 このポイントにはキアゲハも飛来した。前回訪れたときに撮影した個体だがきれいだったので掲載。

ツツジで吸蜜するキアゲハ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日
ツツジで吸蜜するキアゲハ♂ 愛知県春日井市 2019年4月6日
 
 この春日井市のポイントはこの日以外にも訪れており、ギフチョウはトータルで5頭撮影した。しかし鮮度は悪くは無いもののすべて破損個体だった。そのうちで3月29日に撮影した個体は尾根で撮影したもので♂だと思い込んでおり、また右翅に大きくビークマーク(翅についた鳥の嘴の跡)があったのでよく確認せずにいたが、改めて見るとこれは♀だった。


静止するギフチョウ♀ 愛知県春日井市 2019年3月29日

 ♂の発生数も少ないようだし、それより早く♀が見られるなど、急な低温が何らかの影響があったのかも知れない。吸蜜を撮影するのに適した花も絞り込めず、ギフチョウの個体数も多くないので愛知県のギフチョウを撮影するのは難しいことだと実感した。

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