2019年6月9日 京都府京都市 キマダラルリツバメ           

 撮影仲間から「京都でキマダラルリツバメが発生した」という連絡を受けてから一週間以上は経っていたが、夕方にそのポイントヘでかけた。諸事情から景色や背景が写ったような写真は掲載できないので、いきなり静止のアップから始める。ここではきれいに苅られた植え込みの上でテリを張る姿を見ることができた。

静止するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日
静止するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日

すでに羽化直後のような完全な個体はみられなかったが、大破した個体もいなかった。

半開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日
半開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日

 この蝶が高いところでテリを張るのを見上げるように観察できる場所はそれなりにあるようなのだが、こういう見下ろしのアングルでのポイントはきわめて貴重だろう。
京都の本種の翅表の青い部分は広くはない。

開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日
開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日

 拡大すると細かいキズが目立つ。一日のうち短時間とはいえ激しく飛びまわる蝶なので、翅がすぐに痛むのは仕方が無いところ。

開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日
開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日

 下の個体は翅表に青い部分がなく、キマクロとかクロキマとか呼ばれている。この個体はすでに6/5に確認されているもので、少なくとも羽化後4日を経過している。京都ではこのようなタイプがいくらか混じるようで、鮮度が良くなかったので漆黒というわけにはいかないのが残念だった。

開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日
開翅するキマダラルリツバメ♂(キマクロ) 京都府京都市 2019年6月9日

 これからいい時間という頃になって、雲が厚くなり空気も冷たく感じられ始めた。そのときに一頭がテリ張り場所から降りて地面で吸水を始めた。キマルリの吸水を見たのは今回が初めてだった。その数分後、吸水を止めて地面で開翅したが、スレキズが多い個体だった。

吸水するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日
吸水するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日

 かろうじて一枚だけ撮影できていた飛翔写真。この蝶の飛翔写真はきわめて難しい。


飛翔するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2019年6月9日

ここ数年のキマダラルリツバメの撮影は、長野県南部を舞台とすることが多かった。これはちょうど同時期に発生するゼフなどの他の蝶と組み合わせると、夕方の時間を有効に使えるというメリットがあったのが一つの理由。でも私にとってのこの蝶の原点は京都のインクライン沿いの桜並木だったので、やはり「京都のキマルリ」というと多少の思い入れはある。情報を提供してくれた撮影仲間に感謝するとともに、今回は鮮度にやや難がある個体が多かったので、また次のシーズンにでもきれいな個体を撮影したいものだと思った。

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