2019年8月7日 長野県木曽町 ゴマシジミ、オオゴマシジミ           

 毎年同じように出かけている木曽町のゴマシジミ。朝から晴れ間が広がって暑くなりそう。こういう日のゴマシジミは朝だけの短期決戦になる。蝶も暑いだろうけど、それを求める人間の方の体力が続かない。



 朝方に見つけたゴマシジミの♂。不活発ながら飛んできたアブなどに反応するのでそのうち翅を開くかと期待していたが、結局は「開翅待ち心中」となった。

静止するゴマシジミ♂ 長野県木曽町 2019年8月7日
静止するゴマシジミ♂ 長野県木曽町 2019年8月7日

 この日はもう一頭の♂が見られた。後翅の縁毛が一部なくなっている個体で、ときどきハギの花で吸蜜する姿を見ることができた。

吸蜜するゴマシジミ♂ 長野県木曽町 2019年8月7日
吸蜜するゴマシジミ♂ 長野県木曽町 2019年8月7日

 こういう場合は止まって開翅することはないので、花に絡む飛翔姿を撮影した。

飛翔するゴマシジミ♂ 長野県木曽町 2019年8月7日
飛翔するゴマシジミ♂ 長野県木曽町 2019年8月7日

 少し引いて全体像を撮影した。ここの個体群の翅表は青い部分が広い個体が大部分を占める。

飛翔するゴマシジミ♂ 長野県木曽町 2019年8月7日
飛翔するゴマシジミ♂ 長野県木曽町 2019年8月7日

 さらに背景も含めて撮影。一面の草原が産地である。

飛翔するゴマシジミ♂ 長野県木曽町 2019年8月7日
飛翔するゴマシジミ♂ 長野県木曽町 2019年8月7日

 この場所は年々ワレモコウの数が減ってきているように感じていたのだが、もしかするとその原因かも知れないものを見つけた。 それはワレモコウの花穂の下の数センチで吸汁するカメムシの仲間。あちこちのワレモコウの花穂が萎れているので不思議に思って観察していて見つけたもの。ほかにも何頭かのカメムシが見られたが、このように貴重なワレモコウの花穂を狙われたらたまったものではない。

ワレモコウの花穂から吸汁するカメムシと萎れた花穂 長野県木曽町 2019年8月7日
ワレモコウの花穂から吸汁するカメムシと萎れた花穂
         長野県木曽町 2019年8月7日

 昼近くなり暑くなったので、ゴマシジミの草原を離れ森林地帯に向かった。同じ木曽町内とはいえ、一時間以上かかって小さな流れのある谷間に移動した。



 歩いているとこのような爪痕が付いている木も目に入る。もちろんこの辺りの山ならば、どこにでもいるだろうけど、実際にこういうのを見るとドキッとする。今日は三人できているので心強いが、独りでは踏み込むのをちょっとためらってしまう場所である。



 いつものことながらオオゴマシジミの個体数は少なかったが、急斜面の上の方で産卵行動をとる♀を観察することができた。

産卵するオオゴマシジミ♀ 長野県木曽町 2019年8月7日
産卵するオオゴマシジミ♀ 長野県木曽町 2019年8月7日

 幸運にもV字開翅する姿も見られたが、遠いところで角度も悪く証拠写真で終わった。

半開翅するオオゴマシジミ♀ 長野県木曽町 2019年8月7日
半開翅するオオゴマシジミ♀ 長野県木曽町 2019年8月7日

 ゴマシジミもオオゴマシジミも証拠写真程度しか撮れなかったが、今年も発生を確認できたことが最大の収穫だった。
 毎年のことながらゴマシジミを狙うようになると、いよいよ今年のシーズンも終盤に入ったことを感じる。信州方面へ出かけるのはそろそろお終いで、これからは地元の紀伊半島方面を主体に足を向けることになる。

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