2020年6月9日 京都府京都市 キマダラルリツバメ(キマクロ)

 情報をいただき、京都のキマダラルリツバメの撮影に出かけた。京都の辺りは翅表の青い部分が狭い個体が多い。そして時には全く青い部分がない個体が見られ、仲間内ではキマクロ(=キマダラクロツバメ)と呼んでいる。昨年もなんとか撮影はできたのだが、スレた個体だったのでもう一度撮り直したいと思っていた。

 昨年と同様、諸般の事情から環境や雰囲気を伝える写真は省いて、いきなり半開翅の♂のアップから始める。刈り込まれた生け垣の葉上でテリを張る普通のタイプである。

半開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2020年6月9日
半開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2020年6月9日

 数頭の♂のうちに一頭だけキマクロが見られた。縁毛も揃った新鮮な個体であるが、左前翅に少しキズがある。アバウトな性格の私は普段はあまりこういうのにこだわらないのだが、この時はちょっと残念に思った。

開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2020年6月9日
開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2020年6月9日

 撮影方向を変えて正面からの一枚。画竜点睛を欠くという言葉があるが、黒一色の無地の蝶の場合は、翅に瞳状の点が一つ入ると写真が惜しいことになってしまう。

開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2020年6月9日
開翅するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2020年6月9日

 翅表の黒さばかりに注目しているが、左右の裏面とも撮影しておいた。この場所は定点観察で個体の識別も必要になる。まずは右翅から。

静止するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2020年6月9日
静止するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2020年6月9日

 続いて左翅。

静止するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2020年6月9日
静止するキマダラルリツバメ♂ 京都府京都市 2020年6月9日

 ここではいつもはテリを争って飛びまわる♂ばかりを見ることが多いが、この日は珍しく♀を確認することができた。低く緩やかに飛んで6月らしくアジサイの葉に止まった。奧に白くぼんやりと見えるのはアジサイの花であるが、もう少しレンズを絞った方がよかったかもしれない。撮影時にそういう判断が出来ないところが、詰めが甘いところなのだろう。

静止するキマダラルリツバメ♀ 京都府京都市 2020年6月9日
静止するキマダラルリツバメ♀ 京都府京都市 2020年6月9日

 キマクロを撮っていたら、飛び立ったところが撮影できていた。いわゆる飛び立ち写真で不本意ではあるが掲載しておく。

キマダラルリツバメ♂の飛び出し 京都府京都市 2020年6月9日
キマダラルリツバメ♂の飛立ち 京都府京都市 2020年6月9日

 昨年のここのキマダラルリツバメの撮影は6月9日でちょうど同じ日付だった。そのときはすでにスレた個体が何頭も見られたので、何も情報がなければ少し早めに出かけているところだった。でも今年は遅れているという現地の発生情報から最適な撮影日を設定することができた。このような撮影仲間からのタイムリーな情報がありがたい。

 追記
  このキマクロ♂は6/12に同じ場所で交尾をしているところが撮影されてる。昨年も同一のキマクロ個体が同じ場所で数日間にわたって撮影されているので、移動性はあまり大きくない蝶なのだろう。

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