2021年4月21日 和歌山県那智勝浦町 ミカドアゲハ

 4月の半ばでギフチョウが最盛期にもかかわらず、和歌山県にミカドアゲハを撮影に行った。海を見下ろす断崖に咲くトベラで吸蜜するのを狙うのであるが、これが非常に爽快で楽しい。



 あまり動き回れるような場所でもないし、使えるカメラ、レンズは限られているので、どれを選択するかちょっと迷う。撮影の手はじめに近いところのトベラで吸蜜する姿を撮影しておいた。少し撮り足りなくも思ったが、このような絵ならばこれまでのような神社周りの撮影でも撮れると思い直し、飛翔撮影ねらいの望遠レンズに交換した。

吸蜜するミカドアゲハ♂ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日
吸蜜するミカドアゲハ♂ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日

 まず岩棚のトベラ周りを飛翔する姿を撮影。かなり遠いところなのでトリミングしている。花の時期はちょうどよく、ここではミカドアゲハとのタイミングがぴったりだった。

飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日
飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日

 熊野灘に打ち寄せる白い波頭を背景にしたかったのだが、タイミングが合わずちょっとおとなしい絵になったのが残念。

飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日
飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日

 かなり遠いので蝶が点にしか写っていないが雰囲気重視で採用、海面に反射する光がキラキラして眩しい。

飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日
飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日

 望遠レンズでの撮影も続けたかったのだが適当なところで切り上げ、広角レンズを装着して海背景の飛翔を狙ってみた。午前中は太陽の方向により逆光気味になることが多く、こういう場合は蝶が暗くなってしまうのでちょっと残念。太陽光は非常に強いのでショボい補助光では全く歯が立たない。

飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日
飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日

 ミカドアゲハはこちらが思うような海が背景になるような場所を飛んではくれない。そこで吸蜜しているトベラの横で待機し、飛翔と同時にカメラを突き出しての撮影となることが多い。

飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日
飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日

 下2枚はもう少し広い背景が入ったかなり気に入ったショットなのだが、ここでは少しトリミングしたものを掲載。

飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日
飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日

 光とカメラの方向がうまく合致し、青い海、青い空、新鮮なミカドアゲハと三拍子そろった絵が撮れたので今年はこれで満足。

飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日
飛翔するミカドアゲハ 和歌山県那智勝浦町 2021年4月21日

 近くで見かけたオガタマノキの新葉は意外に伸びていなかったので、ミカドアゲハには少し早めかと思っていたが、すでにカケた個体も複数見られた。今年の発生はかなり早かったようだが、やはり春が早かった影響なのだろうか。



 四日市からミカドアゲハを見ようとすると、近いところでは松阪市あたりまで南下すればよいのであるが、2〜3年前からは和歌山県まで出かけている。それは自然度の高い中での飛翔姿の撮影が心地よいためである。こういう場所では個体数はそれほど多くはないのか撮影時間の大半は蝶の飛来を待っている時間となる。歳のせいか以前よりは「待ちの撮影」が多くなったような気がする。暇といえば暇なのだが、誰も来ないような海岸べリで繰り返す波の音を聴いていると、非常にゆったりとした気分になる。

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