2022年6月23日 北海道 ウスバキチョウ 2

 白雲避難小屋に泊まった翌日も前日の雨が残り、雲が厚かった。それでも山の気象予報では昼前に薄日が射しそうなので、それを頼みに現地でしばらく待機することにした。



 ハイマツの枝先に静止するウスバキチョウを見つけることができた。雲が厚くてとても飛びまわる状況では無く、翅をセミのようにとじてじっと静止していた。

静止するウスバキチョウ♂ 北海道大雪山 2022年6月23日
静止するウスバキチョウ♂ 北海道大雪山 2022年6月23日

 空が少し明るくなると動き出す個体もいるが、蝶が活発に飛び出すほどではない。しかしこういうやや明るくなったくらいの空模様の方が蝶がしっとりときれいに撮れる。こういう条件ではハイマツの梢の上を飛びまわる姿を期待できないのは残念だが、静止写真を撮影するということならばこれも絶好の機会だろう。

静止するウスバキチョウ♂ 北海道大雪山 2022年6月23日
静止するウスバキチョウ♂ 北海道大雪山 2022年6月23日

 ♀は一頭だけ観ることができた。♀の赤斑は♂よりも多く、表の左右合計で6個もある。なんとかしてすべてを写し込みたかったが、下のように5個半が精一杯だったのがちょっと心残り。

静止するウスバキチョウ♀ 北海道大雪山 2022年6月23日
静止するウスバキチョウ♀ 北海道大雪山 2022年6月23日

 ♀も裏面の赤斑がきれいだ。

静止するウスバキチョウ♀ 北海道大雪山 2022年6月23日
静止するウスバキチョウ♀ 北海道大雪山 2022年6月23日

 低く飛んだ♂がミネズオウの花で吸蜜した。天候が安定しない高山帯では、こういう少しの明るさの下でも活動しなければ、子孫をつなげることはできないのだろう。

吸蜜するウスバキチョウ♂ 北海道大雪山 2022年6月23日
吸蜜するウスバキチョウ♂ 北海道大雪山 2022年6月23日

 ♀もミネズオウで吸蜜したが、へばりつくような小さい花なので地面への静止写真とあまり変わらないのが残念。

吸蜜するウスバキチョウ♀ 北海道大雪山 2022年6月23日
吸蜜するウスバキチョウ♀ 北海道大雪山 2022年6月23日

 砂礫地での♀の静止姿。こういうふうに裏面を撮るのはなかなか難しい。


静止するウスバキチョウ♀ 北海道大雪山 2022年6月23日

 時々、地面付近を緩やかに飛ぶ。

飛翔するウスバキチョウ♀ 北海道大雪山 2022年6月23日
飛翔するウスバキチョウ♀ 北海道大雪山 2022年6月23日

飛翔するウスバキチョウ♀ 北海道大雪山 2022年6月23日
飛翔するウスバキチョウ♀ 北海道大雪山 2022年6月23日

 6/22,23に大雪山に登ったあと、6/28にもう一度登ってみた。その間に二日間ほど晴天ではあったが石が飛んでくるほどの強風が吹き荒れた日があった。ロープウェイも運休したらしく、もちろん山へ登ることなどできない。28日の天気は予報ほどよくなく、曇り空の砂礫地には冷たい風が吹き荒れていた。
 それでもわずかに明るくなった時にハイマツの陰から飛び出した♂を撮影できたが、翅は大きく破損していた。これは機械的に破損したものらしく、二日間の強風による影響が感じられる。

飛翔するウスバキチョウ♂ 北海道大雪山 2022年6月28日
飛翔するウスバキチョウ♂ 北海道大雪山 2022年6月28日

 今年の結果を見ると今年のウスバキチョウの撮影好機は6/22,23あるいはその前日の6/21くらいだったようだ。天候が不安定の中なので、時期を当てるのは難しいということだろう。

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