ヒメヒカゲ
Coenonympha oedippus
モンゴルにはヒメヒカゲの仲間が5種類いるが幸いにも2017年の一週間の旅行で一応すべて撮影することができた。しかしすべての種類が撮影適期というわけではなく、このヒメヒカゲはもう発生終期でようやく♀にきれいな個体が残っているのを確認できる程度だった。日本では梅雨空が似合う蝶なのだが、この蝶をみたのはカンカン照りの暑い草原だった。
ヒメヒカゲ♂ セレンゲ県バーウアンバーン 2017年7月5日
日本の本種を見慣れている目からすると、眼状紋がたくさん並んでいるのが特徴的である。特に眼状紋が少ない傾向がある東海地方のものを見慣れている私などから見るとかなり違ったように感じる。
ここモンゴルの本種は名義亜種に含まれるということである。日本産は中部地方のものに
ssp.annulifer
、中国地方のものに
ssp.arothius
の名前が与えられている。
ヒメヒカゲ♀ 静止 セレンゲ県バーウアンバーン 2017年7月5日
日本ならばヒメヒカゲの開翅を撮るのは難しいことではないが、ここモンゴルのものは翅をなかなか開かないらしい。とはいっても条件を選べば開かないことはないと思うのだが、それを確認するほどの余裕はなかった。何しろ周りには目新しい蝶がたくさん飛んでいるのだから。
ヒメヒカゲ♀ 飛翔 セレンゲ県バーウアンバーン 2017年7月5日
そういうときに翅表を撮影する方法としてはやはり飛翔姿の撮影になる。♀の後翅表の外縁の明るい褐色の帯が印象的だった。
ヒメヒカゲ♀ 飛翔 セレンゲ県バーウアンバーン 2017年7月5日
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