ヤチヒョウモン

              Proclossiana eunomia    

 ヒョウモンモドキほどでは無いのだが、モンゴルにはヒョウモンチョウの仲間も多い。なかでもホソバヒョウモンが含まれる属(Clossiana)は多くの種が属して紛らわしい。しかしこのヤチヒョウモンはそれらとは属が異なり(Proclossiana)、やや細長く丸い翅の形など近縁種とは異なり比較的野外でも同定は容易な方である。

ヤチヒョウモン♂ モンゴル フブスグル
     ヤチヒョウモン♂ 開翅 フブスグル  2017年7月3日

 ヤチ(谷地)ヒョウモンという名の通り、草丈の低い高層湿原のような環境に多く見られた。

ヤチヒョウモン♂ モンゴル フブスグル
       ヤチヒョウモン♂ 開翅 フブスグル  2017年7月3日

ヤチヒョウモン♂ モンゴル フブスグル
    ヤチヒョウモン♂ ネギ訪花 開翅 フブスグル  2017年7月2日

 下は♀。♂に比べて褐色味が薄い。

ヤチヒョウモン♀ モンゴル フブスグル
        ヤチヒョウモン♀ 開翅 フブスグル  2017年7月2日

 この蝶が多かったのはモンゴル西部山岳地帯のフブスグル周辺だったのだが、あいにく滞在した期間は気温が低く、連日雨〜曇りであったため、飛翔する姿を見ることは少なかった。下の写真のように針葉樹を交えた背の低い草原が生息地である。

ヤチヒョウモン♂ モンゴル フブスグル
           ヤチヒョウモン♂ 飛翔 フブスグル  2017年7月2日

 飛翔中の拡大写真。

ヤチヒョウモン♂ モンゴル フブスグル
          ヤチヒョウモン♂ 飛翔 フブスグル  2017年7月2日

 夜間や降雨時には、ネギの花に下垂するのはほかの蝶でもよく見られる生態である。

ヤチヒョウモン♂ モンゴル フブスグル
     ヤチヒョウモン♂ 静止 フブスグル  2017年7月4日


  〈戻る〉