帯広河川敷  2007年5月20日 

 北海道の朝は早い。午前3時半を過ぎると空が明るくなり始めてくる。つい先ほど雨が上がったばかりであったが、8時過ぎには河川敷に降り立った。この日の天気予報は曇後晴れ。晴れ間が広がってくる時刻がは9時頃〜昼頃の間と予想されている。西の方の日高の山並みや、北の方は青空が広がっているが、頭の直上は厚い雲におおわれている。8℃という気温と冷たい風では外へ出る気にもならず。ひたすら車の中で青空が広がるのを待っていた。前方少し前をキツネが横断して行く。一応こちらを警戒はしているようだがなかなか落ち着いたものである。目の前に小鳥が飛んでくると、それを撮影してみる。 今日、アポイへ行っているアブドゥさんのHP仲間に電話を入れてみる。「雲が切れてきた」「一匹、撮影した」となかなか好調のようである。アポイは明日の予定なので、こちらは引き続き曇り空を見上げてひたすら天候の回復を待つ。

 10時をすぎた頃、ようやく頭の上の雲が薄くなって、強い光が降り注ぎはじめた。さあ、いよいよこれから。この地での目標は、青いジョウザンシジミ、アカマダラ、エゾヒメシロチョウ、チャマダラセセリ。

最初に見たのはエゾヒメシロチョウ。風にながされながら緩やかに飛んですぐに地面に止まってしまう。「なんと不活発な蝶なのだろう」というのは見せかけで、気温が上がりはじめると地上から一定の高さを保ってずっと飛び続ける。カメラを持って構えていると、直前でコースを変えるので、一応こちらを見て警戒しているようだ。たくさん撮影したのだが露出の設定が外れて、翅が真っ白になった失敗作くが多かった。

静止するエゾヒメシロチョウ 北海道帯広市 2007年5月
静止するエゾヒメシロチョウ 北海道帯広市 2007年5月

チャマダラセセリが時折現れては、タンポポの花で吸蜜している。白斑が鮮やかに発達した美しい個体が多かった。

タンポポを訪花するチャマダラセセリ 北海道帯広市 2007年5月
タンポポを訪花するチャマダラセセリ 北海道帯広市 2007年5月

タンポポを訪花するチャマダラセセリ 北海道帯広市 2007年5月
タンポポを訪花するチャマダラセセリ 北海道帯広市 2007年5月

 アカマダラが飛んでいる場所を教えていただいた。林の一隅にトクサの枯れ草が折り重なった場所があり、そこで占有行動をとっていた。近縁のサカハチチョウから想像していたよりは、はるかに緩やかに飛ぶ蝶だ。 何回も飛び立って占有行動をしていた。

 アカマダラの翅の赤さにはいろいろ変異が有るようで、この個体はサカハチチョウ程度の赤さのもの。

静止するアカマダラ♂ 北海道帯広市 2007年5月
静止するアカマダラ♂ 北海道帯広市 2007年5月

 下はかなり赤い個体で、アカマダラというと頭の中ではこれくらいを想像していた。

静止するアカマダラ♂ 北海道帯広市 2007年5月
静止するアカマダラ♂ 北海道帯広市 2007年5月

静止するアカマダラ♂ 北海道帯広市 2007年5月
静止するアカマダラ♂ 北海道帯広市 2007年5月

 下はサカハチチョウの♂。タンポポで吸蜜した後、何の愛想もなくあっさりと飛び去った。

吸蜜するサカハチチョウ♂ 北海道帯広市 2007年5月
吸蜜するサカハチチョウ♂ 北海道帯広市 2007年5月

吸蜜するオオモンシロチョウ♂ 北海道帯広市 2007年5
吸蜜するオオモンシロチョウ♂ 北海道帯広市 2007年5月

 昼を過ぎてジョウザンシジミもちらちら目に付くようにった。キジムシロで吸蜜している。

吸蜜するジョウザンシジミ♂ 北海道帯広市 2007年5月
吸蜜するジョウザンシジミ♂ 北海道帯広市 2007年5月

蝶がいるのはこのようなふかふかのコケが生えているような場所で、踏み込むとふわっとした感触。ちょっと足を出すのをためらってしまう。

一匹のジョウザンシジミが背の高い枯れ草の先端に止まった。そっと近づいて何枚も撮影した。やはりジョウザンシジミはいい蝶である。

静止するジョウザンシジミ♂ 北海道帯広市 2007年5月
静止するジョウザンシジミ♂ 北海道帯広市 2007年5月

この蝶は愛想が良く、翅を拡げて自慢のブルーを見せてくれた。

開翅するジョウザンシジミ♂ 北海道帯広市 2007年5月
開翅するジョウザンシジミ♂ 北海道帯広市 2007年5月

静止するジョウザンシジミ♂ 北海道帯広市 2007年5月
静止するジョウザンシジミ♂ 北海道帯広市 2007年5月

 このように昼食も食べずに午後4時前まで夢中になって撮影した。その後、様似に向けて移動した。この日の撮影でアブドゥさんも露出の設定ミスが有ったようだが私の方もレンズの距離環が動いていつもに増してピンぼけの山を築いていた。

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