千葉県鴨川市 2007年8月26日 夏ルーミス |
厳しい残暑が予想された26日、単身赴任先からならさほど遠くない千葉県房総半島を訪れた。一昨年はシルビアシジミと掛け持ちして良い結果が出ているが、今回はルーミスシジミの一本勝負になる。時間はちょっと早めだったが、朝10時過ぎにはルーミスの谷の入り口についた。道ばたの栗の木にはだいぶ大きくなったイガが見える。そういえば房総への車窓から見ていると、もう刈り取りの終わった田圃がいくつもあった。 いよいよポイントに近づいたところで、先にネットを持つ採集者を見た。でも私とは違う方向へ向かっているのでちょっと安心。 ルーミスの姿を探しながら注意深く進む。水がしみ出た岩場ではかなりくたびれたカラスアゲハが吸水していた。腹端から水を出しているが見えるだろうか?数秒毎にぽたぽたと落ちており、かなりの高頻度であった。
見上げるとタブノキだろうか梢をアオスジアゲハが舞って産卵場所を探すかのような行動をとっている。都会の公園でもクスノキの周りを飛んでいることころを見かける本種であるが、これが本来のすがたなのであろう。 天気はよいのになかなかルーミスシジミは現れてくれない。一昨年、いくつかの個体を見かけた場所で目を凝らしてじっと待つ。どこでも同じような環境に見える谷筋だが、場所により微妙に蒸し暑さが違う。こういう違いがポイントの差なのだろう。とはいってもじっとしていても汗がふき出るというようなことはなく、むしろ快適でさえあった。 そして最初の個体が現れたのが正午少し前だった。
それからアオキやシダの葉の上に止まっているのをぽつぽつ見ることができるようになった。でもかなり敏感でカメラのシャッター音に反応してすぐに高いところに舞い上がってしまう個体が多い。 ようやく愛想のいい個体に巡り会って、接近して広角で環境を入れ込んだ写真が撮れた。といっても、背景は川の流れなのだがごちゃごちゃしてよくわからない。
三脚を持っていないこともあるが、谷間に微妙に吹いている風が蝶がとまっている下草を揺らすので、なかなかジャスピンの写真が撮れない。精一杯がんばっても下の写真がせいぜい。ルーミスもこの風が目当てで暑い日は高いところから降りてくるのだろうか。 この時期のルーミスシジミは秋から冬とは違って羽を開いてくれることはないようだが、私にとっては暑い日射しを避けてひっそりと下草に止まっている姿にルーミスらしさを感じる。
午後2時をすぎ、個体数も少なくなったので引き上げる事にした。結局、ルーミスシジミは静止も飛翔写真も満足のいくものが撮れず、また次回に繰り越しとなった。 帰り道、カエデの樹の枝が一部紅葉しているのをみた。もう、季節は確実に秋に向かっているようで、ツクツクボウシの声を聞きながら麓に戻った。
ちなみに現地に滞在した4時間ほどの撮影の間にヒルには2度ばかり這い登られたが、すぐに気がついて事なきを得た。・・・と思っていたが、寮に戻って靴を脱ぐと靴下の中に一匹入り込んでいたのがあり、しっかりと血を吸われていた。ただ、山から駅まで歩いた数キロ間に踏みつぶされたのであろう、足の裏でぺちゃんこになっていた。
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