三重県北部   2008年3月22日  spring yellow

 深田久弥の「日本百名山」にならって、われわれ蝶屋では「蝶の百名山」があり、花の世界では「花の百名山」がある。ここ鈴鹿山地の北部の藤原岳は標高1100mあまりの山だが花の百名山のひとつに選ばれていて、花の多い山として知られている。ちょうどこの時期はフクジュソウが最盛期のはずであり、以前から一度登って見たかった。またかってはギフチョウを産したところでもあり、一度見ておきたかった。

 麓の駐車場から約1時間半、8合目から上は登山道に雪がしっかりと残っている。その雪が現れるのと同時にフクジュソウがあちこちに咲いているのを見ることが出来た。これまで公園に植栽されているのは見たことはあるが、自然のものは初めて。ちょうど最盛期であり美しかった。

 一口にフクジュソウと言っても、八重のものや一重のものやいろいろな形の花がある。

 フクジュソウ以外にも見たかった花はあるのだが、ミヤマカタバミやミスミソウらしき花くらいしか見つけられなかった。セツブンソウも咲いていたということだが、私にはすでにすっかり枯れた花しか見つけられなかった。
 これが一つ目のspring yellow。次回はもっと早い時期に登ろうと決めて、昼前には山を降りた。

 帰り道、車を走らせていると広い菜の花畑が目に入った。
「いちめんのなのはな いちめんのなのはな・・・・」ふと 誰だったかの詩が浮かぶ。

 菜の花畑に近づいてみるとモンシロチョウがいくつか飛んでいるのが見えた。畑の際にしゃがみ込んで菜の花の甘い香りに包まれてモンシロチョウの飛翔を狙ってみた。

モンシロチョウ飛翔 ナノハナ背景 三重県菰野町

 時々はモンキチョウも飛んで来てくれるが、一匹だけではちょっかいを出してくれる相手もおらず、忙しく飛び過ぎるだけ。

モンキチョウ飛翔 ナノハナ背景 三重県菰野町

 

 傍らの花の上では、モンシロチョウの♂が求愛行動をとっているが♀は完全に拒否している。それでもこの♂は執拗にアタックしたため、♀も仕方がなかったのだろうか飛び立って高い空に舞い上がっていった。

 青い空に2匹ののモンシロチョウが浮かんでどんどん小さくなっていく。傍らの高い建物の屋根を越したあたりでようやく♂があきらめたのか2匹は別々になって降りてきた。

 モンシロチョウとモンキチョウ以外は時々越冬したキタテハが飛んでくるだけ。

 普通種ばかりだけど、気持ちの上ではすっかり春モードになり十分満足して、一面の菜の花畑を後にした。これが2つ目のspring yellow。来週からはいよいよギフチョウモードに突入の予定です。

モンシロチョウ飛翔 ナノハナ背景 三重県 

 

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