先月の和歌山で撮影がうまくいき紀伊半島のルーミス探索の感覚がつかめたように思ったので、ホームグラウンドの三重県内での撮影を試みた。さいわい絶好の好天が予想されている。
現地に着くと抜けるような青空でこれは期待できそう。
すでにムラサキシジミはいくつもの個体が枝先をちらちらと舞っている。そのうちの1頭が降りてきて、岩にとまる。後翅が少し欠けた♀だった。この個体以外にもムラサキシジミは、何度か地上に降りてきた。
時々、高いところから枯葉がくるくると回りながら落ちるのにハッとしながらもルーミスが現れるのを待った。でも他に現れるのはイシガケチョウとウラギンシジミ程度でちょっと寂しい。
河原の石で開翅するムラサキシジミ♀ 三重県熊野市 2012年12月25日
昼を少し過ぎたとき、高い梢の上からルーミスがスッと降りてきて河原の岩に静止した。
岩の上に静止するルーミスシジミ 三重県熊野市 2012年12月25日
そして直ぐに翅を開いてくれた。右後翅に破損があったので、目立ちにくいように回り込んで撮影。鱗粉の状態はそれほど悪くない。300oで少し遠いところから撮影していたので蝶を驚かせるようなことはしていなかったつもりだったが、この個体は1〜2分すると飛び立ってしまった。高い梢から現れて、河原の岩でごく短時間の静止、そしてまた反対側へ飛びさっていくというこの行動の意味は何なのだろう。
岩の上で開翅するルーミスシジミ 三重県熊野市 2012年12月25日
その後も期待して待っていたが、それ以上、降りてくる個体はいなかった。でも高い木の梢の先をチラチラと飛ぶ姿が見える。蝶までの距離があるので適当に撮影しておいたが、家に帰ってみると個体識別ができる程度には写っていた。
高い椿の枝先で開翅するルーミスシジミ 三重県熊野市 2012年12月25日
ルーミスシジミの開翅 三重県熊野市 2012年12月25日
このように個体を確認していくと、樹上には4個体が飛んでおり、先に撮影した地上に降りたものを含めてこの日は5頭のルーミスシジミを確認できたことになる。いずれの個体もかなり破損しており、まともな個体は1頭だけだった。台風が来たせいかもしれないが、これで無事冬を越せるのだろうかとちょっと心配になってしまった。
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