2014年11月23日 三重県 ルーミスシジミ |
八重山のきらびやかな蝶たちに気持ちを奪われているうちに秋も深まり、山ではすっかり紅葉の季節になった。もう成虫の撮影シーズンの終了は近い。 ルーミスの谷へ行く途中、ツワブキがたくさん咲いている海岸沿いでサツマシジミとヤクシマルリシジミを数頭見ることができた。このサツマ♀の場合は裏面を見る限りはそれほどのスレは無い。
飛翔する姿を撮影してみる。
紀伊半島の秋の蝶というと、サツマシジミ、ヤクシマルリシジミ、そしてルーミスシジミが挙げられる。でも撮影に適する時期は少しずれており、サツマシジミが新鮮な時期にはルーミスは低いところには降りてこないか、降りても翅を開くことは少ない。そして秋が深まってルーミスシジミが低いところでよく翅を開くような時期になるともうサツマシジミは下の♂のような状態のものが多くなる。さすがに通常ならばカメラを向けないがご紹介のために撮影。
もう少し待てば開翅する姿も見られそうだが、色褪せたサツマやヤクルリを相手にしていても仕方が無いので少し時間が早いがルーミスのすむ谷に入ってみる。見上げる梢の先をちらちらと少数の個体が飛んでいるのが見える、が降りてくるにはもう少し条件が整っていない。そんな中でしばらく待っているとテングチョウが日だまりで日光浴を始めた。今年はテングチョウが大発生したので、いろいろなところで多くの個体を見ることができたが今日は一頭だけ。
昼前になって一頭のルーミスが降りてきて、2mくらいの高さのカシの葉上で開翅した。しかしそれより下には降りてこず、すぐにどこかに飛んでいってしまった、
この場所でのルーミスの姿が見えなくなったので、しばらく別の場所を歩いてみたがそこでは成果が無かった。その後、再びもとの谷へ戻りルーミスを探してみる。すでに午後1時を過ぎており日が傾き始めているので、もうラストチャンスかもしれない。斜面の梢から地面まで日だまりが続いているような場所を最後の場所と決めて、樹上を見上げてしばらく待ってみることにする。 高い所では時々ルーミスの白い翅がチラチラと見える。それをじっと見つめていると比較的低いところへ飛んできて止まってくれた。
ルーミスシジミの飛び方は速くはないが小さく見失いやすいので、独りで撮影するときはなかなか大変である。
この個体は梢から順に低いところに降りてきて、ついに地面に降りて翅を開いて日光浴をするところを撮影出来た。小さなカケはあるもののこの時期にしては鱗粉の状態がかなり良いきれいな個体だった。でも撮影アングルを変える時間も無く、ほんの1分ほどで樹上に舞い上がってしまった。
まだ午後1時半なのだが、この時期はもう夕暮れの感じで日陰ではひんやりとしている。比較的新鮮な個体を撮影出来たので今シーズンのルーミスはもうお終いにするかもしれない。
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