2016年7月16日 長野県松本市 ミヤマモンキチョウほか  

 今年の高山蝶の発生は早く、情報を聞いているともうすでに終盤のようだ。そんな中、晴/曇りの予報が出ていたので、北アルプスのミヤマモンキチョウを見に行くことにした。浅間山山塊に住むミヤマモンキチョウは何度か見に行ったことがあるのだが、北アルプスのいわゆるアルプスモンキは初めてである。

 ミヤマモンキの発生場所を見上げたところでまだまだ先は遠い。この日はすっきりと晴れるのではなく、薄い雲も広がる空模様で、蝶の撮影に適した光の条件だった。



 
 息を切らしながら登ってきた発生地ではいくつかのミヤマモンキチョウが飛び交っていた。残念ながら♂はすでにスレている。この蝶は縁毛のピンク色が美しいのだが、その縁毛がスレただけで魅力は半減である。♂は少し撮影時期を逸していたが、少しでもマシなものを選んで掲載。花はシロバナクモマニガナだろうか。

シロバナクモマニガナで吸蜜するミヤマモンキチョウ♂ 長野県松本市
       シロバナクモマニガナで吸蜜するミヤマモンキチョウ♂ 長野県松本市

 ♀はまだ縁毛のしっかりと残った個体も見られ、ちょうど撮影適期であった。コウゾリナ?の花で吸蜜。

ミヤマモンキチョウ♀ 吸蜜 長野県松本市
         コウゾリナ?で吸蜜するミヤマモンキチョウ♀ 長野県松本市

 この蝶は花に止まると翅を閉じてしまう。またこの場所に咲く花の種類も多くはないので、同じような写真ばかりになってしまう。そこで、飛翔する姿でバリエーションを付けてみた。最初は300oで捉えた飛翔する姿。

ミヤマモンキチョウ♂ 飛翔 長野県松本市
             飛翔するミヤマモンキチョウ♂ 長野県松本市

 やはり高山は蝶をアップで写すよりも、背景を入れて撮影するべきだろう。この後は、ほとんど広角レンズで撮影した。

ミヤマモンキチョウ♀ 飛翔 長野県松本市
         斜面の草地を飛ぶミヤマモンキチョウ♀ 長野県松本市

 斜面を滑るように降りてくる♀の姿。

ミヤマモンキチョウ♀ 飛翔 長野県松本市
         斜面を滑るように降りるミヤマモンキチョウ♀ 長野県松本市

♂は谷底を背景にして飛翔する姿を。

ミヤマモンキチョウ♂ 飛翔 長野県松本市
         草地を飛翔するミヤマモンキチョウ♂ 長野県松本市

 ミヤマモンキチョウに混じって平地にもいるモンキチョウも多く見られる。そしてモンキチョウの♂がミヤマモンキチョウの♀にちょっかいを出すシーンをよく見かけた。その逆のパターンは全く見なかった。

ミヤマモンキチョウ♀に求愛飛翔するモンキチョウ♂ 長野県松本市
     ミヤマモンキチョウの♀を追尾飛翔するモンキチョウ♂  長野県松本市


 やはりミヤマモンキチョウ同志の求愛飛翔がすっきりとする。

ミヤマモンキチョウ♂♀ 求愛飛翔 長野県松本市
             ミヤマモンキチョウの求愛飛翔 長野県松本市


 下はミヤマモンキの♀に、モンキチョウとミヤマモンキチョウの♂が求愛行動をとっているところである。ミヤマモンキの♂がミヤマモンキの♀とモンキチョウの♂との間に割って入ったところのようだ。♀は腹を上げて、交尾拒否のポーズを取っている。

ミヤマモンキチョウ♀に求愛行動をとるミヤマモンキチョウ♂とモンキチョウ♂ 長野県松本市
      ミヤマモンキチョウ♀に求愛するミヤマモンキチョウ♂とモンキチョウ♂ 長野県松本市

 ミヤマモンキ以外で見られた蝶はタカネキマダラセセリ。テリを張っている♂はスレていたが、アカモノの花で吸蜜しているこの個体はかなり新鮮であった。

タカネキマダラセセリ♂ アカモノで吸蜜 長野県松本市
       アカモノの花で吸蜜するタカネキマダラセセリ  長野県松本市


 13:30頃、谷の下の方からガスが湧いてきた。まだそれほど空は暗くはなっていないが、元気に飛んでいたモンキチョウの♂がイタドリの葉陰に下垂して雨宿りをするようなポーズを取った。蝶はこれから天気が崩れるのを敏感に感じ取ったのだろうか。この姿を見て私も山を降りることにした。

モンキチョウ♂ 静止 長野県松本市
          イタドリの葉陰で休憩するモンキチョウ♂ 長野県松本市


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