2017年4月13、14日 広島県安芸高田市 ギフチョウ |
これまでのギフチョウの撮影は、三重県から東の方ばかりだったので西日本のギフチョウを撮影したく思い広島県まで出かけた。北陸や信州のようにカタクリとギフチョウという定番の組み合わせがイメージしにくいこともあり、どのような撮影になるのか・・・。
今回の撮影では何カ所かを回ろうと思っていたが、結局は安芸高田市の一カ所で二日間にわたって撮影することになった。場所はご覧の通りの何の変哲も無い雑木林。 ![]() 好天に恵まれて気温が上がり始めるとどこからともなくギフチョウが姿を現した。ちょうど♀の出始めであり、撮影には好適な時期であった。 ![]() 地面で日光浴するギフチョウ♂ 広島県安芸高田市 2017年4月13日 この辺りはあまり花が無く、わずかにスミレとツツジ(コバノミツバツツジ?)くらいでしかもその量も少ない。逆に言うと花の傍らで待っていれば、吸蜜の場面に遭遇できる可能性は高いと言うことになる。 ![]() スミレで吸蜜するギフチョウ♂ 広島県安芸高田市 2017年4月13日 ギフチョウは林内を飛び回っているので、花は少なくても飛翔する姿はよく見かける。 ![]() 雑木林を飛翔するギフチョウ♂ 広島県安芸高田市 2017年4月13日 広場で占有飛翔する姿。ふわふわと漂うように飛んでいるのだが、少し高かったので裏面からの撮影。 ![]() 雑木林の空間で占有飛翔するギフチョウ♂ 広島県安芸高田市 2017年4月13日 時には複数の個体が出会って争いを繰り広げる。 ![]() 2頭で争うギフチョウ♂ 広島県安芸高田市 2017年4月13日 雑木林の向こうからこちらへ向かってくるギフチョウ。この大きさでは分からないが、静止写真なみにピントが合った。 ![]() 飛翔するギフチョウ♂ 広島県安芸高田市 2017年4月13日 拡大してみると躍動感あふれる姿。しかもしっかりとカメラ目線! まぐれとは言ってもこういうショットが撮れるとうれしい。 ![]() 上の写真の拡大 ツツジの木はたくさんあるのだが、いずれも蕾ばかりで見渡せる範囲では開花しているのは2本しかない。そのわずかに咲いているツツジの下で待っていると、思惑どおりに吸蜜する個体を見ることができた。 ![]() ツツジで吸蜜するギフチョウ♀ 広島県安芸高田市 2017年4月14日 雑木林には背丈ほどの常緑樹があり、ギフチョウの♂は時折そういった樹の繁みで♀を探すような感じで飛びまわっている。そんな中で一度だけヒサカキの花に数秒間だけだが静止した時があった。「えっ、ヒサカキで吸蜜?」と思っていそいでカメラを向けたが、残念ながら頭が見えず[吸蜜」かどうかの判定はできなかった。 ![]() ヒサカキに静止したギフチョウ♂ 広島県安芸高田市 2017年4月13日 しかしヒサカキから飛び出した瞬間のショットを見ると、口吻はしまわれていたので今回のは吸蜜では無かったのだろう。 ![]() ヒサカキから飛び立ったギフチョウ♂ 広島県安芸高田市 2017年4月13日 蝶を求めて雑木林を歩いていると、羽化直後でまだ翅がよれよれの♀が飛びだした。この個体はしばらくして翅を伸ばした後、ふらふらと飛んでヒサカキの枝に止まった。 ![]() 倒木上で日光浴する羽化直後のギフチョウ♀ 広島県安芸高田市 2017年4月14日 接近して見るとヒサカキの小さい花に口吻を伸ばして吸蜜する姿が見えた。小さな花の割には多くの蜜があるのだろうか、30秒以上は一生懸命に吸っている姿を見ることができた。 ![]() ヒサカキで吸蜜するギフチョウ♀ 広島県安芸高田市 2017年4月14日 広島県のギフチョウは山陰や山陽地方の形質がいろいろ入り混じっているそうだ。詳しいことは良くわからないが、前翅の外縁の縁毛がすべて黒くなる「ブラックバンド」と呼ばれるような雰囲気の個体は撮影できたが、これなどは鳥取県の大山あたりでよく見られるものとされている。しかし山陽地方に多く見られるような後翅の大きな黒紋にCカットが入るような個体は見られなかった。次回はそういった形質を持つような個体も撮影したいと思っている。
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