2017年5月9〜15日 沖縄県石垣市 アサヒナキマダラセセリ 1 |
アサヒナキマダラセセリは、なかなか撮影しにくい蝶である。遠い石垣島、西表島の特産種ということが大きい理由だが、梅雨の走りで天候が安定しないことやゴールデンウィークの翌週という休みを取りにくい時期が最盛期ということもその原因である。それでも最近は麓に降りてくると言う習性がわかってきたこともあり、天候が不安定な於茂登山頂よりはいくぶんは撮影しやすい蝶になってきたように思う。
私にとってはこの蝶は初めての挑戦だが、できるだけ本来の生息地である於茂登岳に登って撮影したく思い、余裕のある日程を組んだ。 初めは頂上付近からの竹富島方面の眺め。山頂一帯は一面のリュウキュウチクの林が広がっている。 ![]() 今年のアサヒナキマダラの発生は例年よりは少し遅れていたようで、見る個体のほとんどは新鮮なものだった。5/10は天気が良かったせいか朝の8時頃から活動する個体を観察できた。 ![]() 静止するアサヒナキマダラセセリ♂ 石垣市 2017年5月10日 葉上で開翅する姿。実際に見るとやはり大きくて存在感がある。 ![]() 開翅するアサヒナキマダラセセリ♂ 石垣市 2017年5月10日 頂上付近にもシロバナセンダングサは咲いているので、この花で吸蜜する姿を多く見かけた。このような吸蜜行動は一日中みることができたが、特に午前中から13時頃までが活発だった。 ![]() センダングサで吸蜜するアサヒナキマダラセセリ♂ 石垣市 2017年5月14日 結局、空模様を眺めながら於茂登へは1日おきに3回登ったが、2回目は強風と曇天でほとんど成果は無く、3回目にようやくお天気に恵まれ、♂♀を数頭みることができた。 ![]() 開翅するアサヒナキマダラセセリ♀ 石垣市 2017年5月14日 やはり容易に撮影できるのはセンダングサでの吸蜜姿となる。このような外来種の花の他でも吸蜜するとのことだが、そういった花を見つけることも困難なので、なかなか難しいものだ。でも次に来る機会があれば、そういう姿も撮影してみたい。 ![]() 吸蜜開翅するアサヒナキマダラセセリ♀ 石垣市 2017年5月14日 何枚かを撮影すると余裕が出てきて、同じような構図ながらも背景を考えて露出条件を変えたりレンズを換えたりして撮影を続けた。 ![]() 吸蜜するアサヒナキマダラセセリ♀ 石垣市 2017年5月14日 アサヒナキマダラは赤っぽい蝶なので、シロバナセンダングサにも良く映える。下は絞りをいっぱい開いて背景をぼかした写真。 ![]() 吸蜜するアサヒナキマダラセセリ♀ 石垣市 2017年5月14日 とはいってもやはり頂上ならではのリュウキュウチクの林を背景とした姿は捨てがたい。このために大汗をかきながら一時間近くもかけて登ってきたのだ。 ![]() 開翅するアサヒナキマダラセセリ♀ 石垣市 2017年5月14日 ポイント付近を歩き回っていると、リュウキュウチクの根元にいかにも羽化したてというようなスレも縁毛のカケも全く無いとびきり新鮮な個体が静止しているのを見つけた。 ![]() 静止するアサヒナキマダラセセリ♂ 石垣市 2017年5月14日 下も新鮮な個体で、まだあまりうまく飛べない♂。 ![]() 静止するアサヒナキマダラセセリ♂ 石垣市 2017年5月10日 こういうおとなしい個体は、やはり広角で背景を入れて撮影したくなる。 ![]() 静止するアサヒナキマダラセセリ♂ 石垣市 2017年5月10日 アサヒナキマダラセセリは美しい蝶であるが、環境や吸蜜植物にあまりバリエーションが無いので、単に静止写真を撮るだけならばそれほど時間は要しないだろう。しかし飛翔写真となればまた別の話で何枚シャッターを切っても不十分な気がしてしまう。 次はそのように切り取った飛翔写真をご紹介したい。
|