2017年10月26日 三重県熊野市 ルーミスシジミ |
10月の中旬は長雨や台風の影響で全く撮影に出ることができなかった。サツマシジミやクロツバメシジミなどの撮影にもちょっと時機を逸した感じ。実はもう一つ楽しみにしていたテーマとして10月のルーミスシジミの撮影というのがあった。ルーミスシジミを撮影するには、真夏の暑い時期に避暑をしている個体を狙うのが簡単だがそのときは翅を開かないので裏面ばかり。もちろん今年の夏に試みたように飛翔する姿で翅の表を写し取る方法もあるが、暗い谷間での撮影なのでまだ試行錯誤の域を出ない。ルーミスが低いところに降りてきて地上近くの明るい場所で翅を開くのは紀伊半島では11月頃になって気温が下がってからのこと。でもこの頃はすでに翅は傷だらけであることが多い。 そこでまだそれほどキズが多くは無いであろう秋のもっと早い時期の開翅を撮影したく思い、昨シーズンの終盤から早春、真夏と何度か出向いてポイントの開拓を試みていた。
この朝は晴れ渡ったため、朝方は濃い霧が出て太陽の光がなかった。それでも次第に明るくなってきた時にアラカシ葉上のムラサキシジミが翅を開いた。新鮮なムラサキシジミを久しぶりに撮影したような気がする。 ムラサキシジミ♂ 開翅 三重県熊野市 2017年10月26日 下は♀。 ムラサキシジミ♀ 開翅 三重県熊野市 2017年10月26日 すっかり霧は晴れたが、見える範囲で飛んでいるのはムラサキシジミばかりだった。ルーミスシジミはなかなか現れなかったが、9時半を過ぎた頃にようやくその姿を見ることができた。止まったのがやや高い位置だったので上からの開翅撮影はできなかった。 ルーミスシジミ 開翅 三重県熊野市 2017年10月26日 雲一つ無い快晴だったので、次第に気温が上がり少し暑くなった。10時半を少し過ぎた頃に別のルーミスが現れて、目の前のシイの木の中程の高さ4mほどのところに静止した。やはり暑いのだろう翅を閉じて休んでいるような姿になっている。でも日向に止まっているところからみて、ルーミスにとって耐えきれない暑さというわけでも無いようだ。 ルーミスシジミ 静止 三重県熊野市 2017年10月26日 この個体は一度姿が見えなくなった後、しばらくすると目の前のシイの茂みに舞い降りてきて翅を開いてくれた。先週の台風のせいだろうか右後翅の一部が欠けた個体なのが残念。また9月の末に撮影できた個体よりも、やはり翅表の擦り傷が増えているように感じる。 ルーミスシジミ 開翅 三重県熊野市 2017年10月26日 時間にしてほんの1〜2分間の開翅の後、少し飛んで隣のアラカシの茂みの葉陰に静止した。このあと時刻が経過してこの茂みへの日射しが無くなるまでずっとそのままだった。 ルーミスシジミ 静止 三重県熊野市 2017年10月26日 上の個体は午前11時を過ぎてからの実質的な活動が全く無いような不活発な個体だったが、ふつうはもう少し活動するのだろう。観察していると13時を過ぎる頃から樹林の梢を伝って移動するルーミスが目につくようになった。そして今夜のねぐらを吟味しているのだろうか、シイの木の枝先をチラチラと飛んでいるのを見るようになった。 蝶までの距離があるので望遠レンズで撮影してかなりトリミングしているが、それほど破損してはいないようにも見える。 ルーミスシジミ 飛翔 三重県熊野市 2017年10月26日 ルーミスシジミ 飛翔 三重県熊野市 2017年10月26日 この個体をさらに大きく拡大してみると、まだ縁毛も揃ったかなりきれいな個体であることがわかる。 上の写真の拡大 こういう破損が少ない個体が撮影できるような距離にきてくれれば良かったのだが、そこは蝶任せなので仕方がありません。11月になりそろそろ地面近くまで降りてくれる時期になったので、そういうポイントも視野に入れて撮影に出かけてみたい。 またきれいな個体の撮影は、来年の課題に持ち越しとなったようだ。 〈戻る〉
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