2019年7月29日 富山県立山町 ミヤマモンキチョウ
しばらく停滞していた梅雨前線が北上するようになり、ようやく天候が安定しそうな感じだったので、富山県の立山町までミヤマモンキチョウを撮影に行った。浅間山系にくらべて山歩きを強いられる産地が多い北アルプスの中にあっては、ここは本種を最も楽に見ることができる場所だろう。 広大な高層湿原に遊歩道が設置されており、その付近に咲いている花に飛んでくる姿を見ることができる。
![]() 広い湿原なので場所による多少の発生時期の違いもあるようで、少し場所が違うと鮮度がことなるようだ。この♂はこの日撮影したうちでは鮮度が良い方で、ピンク色の縁毛や頭部の毛が美しい。吸蜜に適した花も所々にあり、この個体はミヤマアキノキリンソウで吸蜜していた。 ![]() 吸蜜するミヤマモンキチョウ♂ 富山県立山町 2019年7月29日 タテヤマリンドウは背が低く埋もれるように咲いているため、草をかぶらずに撮影するのはなかなか難しかった。♂はスレた個体が多かったが♀は新鮮な個体が多く、いろいろな姿を楽しむことができた。でも♀は♂に比べて縁毛などのピンク色が弱いのが残念。 ![]() 吸蜜するミヤマモンキチョウ♀ 富山県立山町 2019年7月29日 イワイチョウはタテヤマリンドウよりは少し背が高いので、まだ撮影しやすかった。 ![]() 吸蜜するミヤマモンキチョウ♀ 富山県立山町 2019年7月29日 吸蜜が終わって飛び立つ寸前、翅を開いたところを撮影できた。この蝶は吸蜜中に翅を開くことは無いので幸運なショットを撮影できたことになる。 ![]() 吸蜜するミヤマモンキチョウ♀ 富山県立山町 2019年7月29日 ♂の飛翔姿。この個体は縁毛が色褪せてすでにピンクでは無くなっている。翅はそれほど痛んではいないがこの蝶の場合は縁毛が薄くなっているだけで魅力が半減する。 ![]() 飛翔するミヤマモンキチョウ♂ 富山県立山町 2019年7月29日 ![]() 飛翔するミヤマモンキチョウ♀ 富山県立山町 2019年7月29日 周りにはハイマツなども生えているので、そういう高山の風景をバックに撮影したかったのだが、動ける範囲が狭いのでなかなか思うようにはならない。 ![]() 飛翔するミヤマモンキチョウ♂ 富山県立山町 2019年7月29日 イワイチョウでの吸蜜を池塘と草原を背景に一枚。 ![]() 吸蜜するミヤマモンキチョウ♀ 富山県立山町 2019年7月29日 本種の求愛飛翔は長時間続くので、見つけやすいし撮影機会も比較的多い。 ![]() 求愛飛翔するミヤマモンキチョウ♂♀ 富山県立山町 2019年7月29日 本種の求愛飛翔は、♂が♀の前を飛ぶスタイルが多いようだ。 ![]() 求愛飛翔するミヤマモンキチョウ♂♀ 富山県立山町 2019年7月29日 同属のモンキチョウも♂を何頭か見かけ、ミヤマモンキチョウの♀に求愛飛翔を行うところも見ることができた。こういうのは焼岳や浅間山系でも見かけたことがあるので、しょっちゅう起こることなのだろう。 ![]() 求愛飛翔するモンキチョウ♂、ミヤマモンキチョウ♀ 富山県立山町 2019年7月29日 食草のクロマメノキは丈の低いものがたくさん自生しており、産卵する♀も見ることができた。蝶が止まっている葉の表に産付された卵が見える。産卵直後は白色だが、のちに紅色になる。 ![]() 産卵するミヤマモンキチョウ♀ 富山県立山町 2019年7月29日 この日のお天気はそれほど良くはなく、朝方はガスが出て暗かった。その後3時間ほど晴れ間が広がったが、昼すぎには激しい雨になり撮影は終了した。短時間の撮影だったがここのおおよその様子はわかったので、この次は♂の縁毛のピンクがもっと鮮やかな時期に、高い山らしい背景を活かした写真を撮ってみたい。 〈戻る〉
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