2020年7月15日 三重県津市 クロシジミ 1

 7月15日は三重県内のクロシジミを撮影に出かけた。この日ははじめは曇りがちだったが次第に晴れ間が出てきて、良い条件になったのでいろいろ撮影することができた。その3日前の7月12日にも短時間訪れて撮影していたのだが、あいにくのお天気であまり成果は無かったので、それも含めて撮影記録としてまとめた。7月に入り雨続きで思うように撮影に出られないのであまりネタが少なく、2回に分けて記録しておく。はじめは静止写真などから。

 

 最初はススキの茂みに静止する♂から。

静止するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月12日
静止するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月12日

 昼を過ぎるとマツの枝先でテリを張る個体が見られた。ここのマツはそれほど背が高くない木があり、十分に翅表が狙える。

開翅するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日
開翅するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日

 さらに低いススキでテリを張る場合もあり、こういう時が撮影しやすい。翅表の小豆色がクロシジミ♂の特徴。ライトを当ててさらに光らせようと試みたがうまくいかなかった。まあ、自然光で撮影したこのような感じが本来の色調なのだろう。

開翅するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日
開翅するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日

 ワラビの葉上でもテリを張る個体がいたが、縁毛がスレているのが残念だった。ここで鮮度がよい♂を見るには、もう少し早めに来る必要がありそうだ。

開翅するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日
開翅するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日

 ススキの葉上でテリを張っている♂を環境を入れて撮影した。

開翅するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日
開翅するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日

 マツとススキという殺風景な環境なので周囲に花は少ないのだが、少しだけ咲いていたネジバナで吸蜜する個体を撮影することができた。

吸蜜するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日
吸蜜するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日

 ♀は鮮度のよい個体が何頭か見られた。

静止するクロシジミ♀ 三重県津市 2020年7月12日
静止するクロシジミ♀ 三重県津市 2020年7月12日

 やわらかな日射しを受けて半分だけ翅を開いてくれた。このあたりの個体には白化するタイプは混じらないとのことで、そういう意味では面白みには欠ける。

半開翅するクロシジミ♀ 三重県津市 2020年7月15日
半開翅するクロシジミ♀ 三重県津市 2020年7月15日

 マツの先端にもよく止まる。こういうふうに蝶が針葉樹の先端に止まる姿は、ちょっと新鮮に映る。

静止するクロシジミ♀ 三重県津市 2020年7月15日
静止するクロシジミ♀ 三重県津市 2020年7月15日

 これも環境を入れて撮影しておいた。

静止するクロシジミ♀ 三重県津市 2020年7月15日
静止するクロシジミ♀ 三重県津市 2020年7月15日

 この蝶のテリ張りは待ち受け型で、一度テリ場所を確定した後はそこにじっとしている。一定時間毎に飛び立って巡回したりすることはほとんどない。そのため飛翔は撮影機会そのものが少なく、難しいものになる。

飛翔するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日
飛翔するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日

 とりあえず撮影できた姿をちょっと掲載しておく。
 
飛翔するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日
飛翔するクロシジミ♂ 三重県津市 2020年7月15日

 ここでの発生場所は先に書いたようにススキと背の低いマツが入り混じった人工的な草地である。これまで見てきたクロシジミの発生地は、三重県に限らずなんらかの人の手が入った環境が多かった。本種が幼生期に利用するクロオオアリは乾燥した地面を好むので畑や林道のほか、住宅地や都市部にも多く生息する。そのためにクロシジミもそういうところに発生するということだろうと思う。でもそういう環境は逆に人手の入り方か変化すると、影響を受けやすいので不安定な発生場所でもある。

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