2020年8月25日 長野県原村 ヤマキチョウ
これまでヤマキチョウは春はチャマダラセセリ、夏はゴマシジミなどの副産物として撮影する機会が多かったが、羽化直後の個体を意識した撮影を初めて計画した。ここは八ヶ岳の麓の高原で、手入れされた白樺林のなかに多くのクロツバラがある。
![]() 図らずも現地では地元の撮影仲間と遭遇し、ヤマキチョウの現状などについていろいろ教えていただいた。どうもありがとうございました。 ヤマキチョウの活動開始時刻は遅いのでなかなか飛び出さない。そこで茂みや草原を歩いてみると、一頭の♂が驚いて飛びだした。しかし不活発なのでそれほど遠くへは行かず、すぐにススキの茂みの中に潜り込んでしまう。 ![]() 静止するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 撮影のために接近すると、小飛して別のブッシュに潜り込む。それを追いかけるとまた小飛する。そういう繰り返しの中で タチフウロの花に止まったヤマキチョウを撮影できた。吸蜜ではなく休憩であるのが残念。 ![]() 静止するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 クロツバラの葉裏で見かけたヤマキチョウの蛹殻。ヤマキチョウの幼虫は枝の先端の葉をかなり派手に食べるので、見つけやすいとのこと。 ![]() クロツバラ葉裏のヤマキチョウ蛹殻 長野県原村 2020年8月25日 期待していたようには多くのヤマキチョウは現れず、もう諦めて帰ろうかと思い始めていた頃に飛んできた個体。裏面の黒斑や黒点の状況から見て、先の休憩モードのとは別個体のようだ。 ![]() 飛翔するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 飛翔する姿を何枚か掲載。 ![]() 飛翔するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 飛翔姿を裏面から見上げる方向でも撮影。 ![]() 飛翔するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 この個体はしばらくして吸蜜モードに入ったようで、アカツメクサで吸蜜した。この蝶は日射しの中でしか活動しないようなので、翅の色調をきれいに出すのはなかなか難しい。 ![]() 吸蜜するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 次はツユクサの青い花に惹き寄せられている。 ![]() 飛翔するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 少し角度がよくないが、ツユクサでの吸蜜も撮影できた。 ![]() 吸蜜するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 次はオオハンゴンソウでの吸蜜。アザミやタムラソウでの吸蜜も期待したのだが、観ることはできなかった。 ![]() 吸蜜するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 この個体は吸蜜後に近くの小川に飛んでいき、岸の石の上で吸水を始めた。はじめは背景のキラキラとした流れを意識し、絞りを開放して玉ボケを狙ってみた。 ![]() 吸水するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 次は水の流れを意識して、F14まで絞り込んでみた。さらにシャッター時間を長くできれば川面の流れをもっと表現できたかもしれないのだが、普段は絞りを解放に近いところで撮影しているせいか、とっさの判断としてはなかなか難しいものだ。 ![]() 吸水するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 この個体は撮影で驚かせてしまったときも流れの周囲から離れなかったので、川の流れを背景にした飛翔姿を撮影できた。よほど喉が渇いていたのだろう。 ![]() 飛翔するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 少し蝶を大きくしてみた。 ![]() 飛翔するヤマキチョウ♂ 長野県原村 2020年8月25日 結局、この日見かけたヤマキチョウは2♂だけ。まだ発生が始まったばかりで活性が低く、見かける機会が少ないのではないかとのこと。ヤマキチョウは春に見かけるときは、一定の範囲を長時間往復して飛び続けるのだが、夏は飛ぶのはごく短時間になる。それが蝶を見つけるのを難しくし、撮影を困難にしている。そういう春と秋の生態の違いなども良くわかった面白い撮影だった。 〈戻る〉
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