2020年11月4日 三重県熊野市 ルーミスシジミ
まだシーズンが終わった訳ではないのだが、前回から約一ヶ月ぶりの撮影記録の作成になる。この日はいつも訪れている三重県南部のルーミスシジミの観察場所を訪れた。寒気が入っており、やや風が強いがすっきりとした青空が見える気持ちの良い一日だった。
この日だまりでは周囲の枝葉で夜を過ごしたルーミスが気温が上がり始めると活動を始め、そのうちに何処かへ飛び去っていく。そして昼をやや過ぎる頃になると、またどこからかこの日だまりに戻ってきて葉陰に潜り込む。ここはこういう一日の活動を樹上から眺めることができる面白い場所である。 この日のルーミスは9時を過ぎた頃から活動を始め、やや高いところだったがいつものように日だまりで体を暖めた後にシイの梢を越えて何処かへ飛んでいった。 静止するルーミスシジミ 三重県熊野市 2020年11月4日 ルーミスが飛び去ったあとの日だまりで活動するのはムラサキシジミばかりになった。 半開翅するムラサキシジミ♀ 三重県熊野市 2020年11月4日 この日、ルーミスがこの日だまりに戻ってきたのは、いつもより少し早くて11時頃。少し遠いがアラカシの葉上で半分だけ開翅する姿を見ることができた。 半開翅するルーミスシジミ 三重県熊野市 2020年11月4日 その後、この個体はねぐらを吟味するのか枯れ葉などに関心を示した後、シイの葉陰に潜ってとまってしまった。時刻はまだ11時を少し過ぎた頃なのに、この日の活動はこれでお終いということだろうか。よく見ると触覚も2本揃えて突き出しており、もう動くつもりはなさそうにみえる。 静止するルーミスシジミ 三重県熊野市 2020年11月4日 そういう状況なので、コンデジを近づけて広角で見下ろすようなアングルで撮影してみた。それでも蝶は動く気配はなかった。 静止するルーミスシジミ 三重県熊野市 2020年11月4日 でもまだ昼にもなっていないので竿先で軽くつついてみると、少し飛んで日だまりで開翅した。やはりこの時期のルーミスらしく、残念ながら翅にキズが多い。 開翅するルーミスシジミ 三重県熊野市 2020年11月4日 そのうちに別の個体もこの日だまりに戻ってきて、カシやシイの周りを飛び始めた。少し遠かったが飛翔を撮影できた。 飛翔するルーミスシジミ 三重県熊野市 2020年11月4日 今年の夏はルーミスの個体数が多かったので期待していたのだが、この日は例年並みの3頭の目撃にとどまった。 飛翔するルーミスシジミ 三重県熊野市 2020年11月4日 数年前までのルーミスシジミは秋の個体を撮影するのが一般的だった。しかし今回もそうだがこの時期では鮮度に問題があり、夏の新鮮な避暑個体の撮影にシフトしてきている。そして翅を開かないと考えられていた夏個体の翅表の撮影は飛翔姿であったり、フラッシュに反応した瞬間的な開翅とかで対応していた。ところが夏の避暑個体もLED光に反応するということもわかってきたので、現在はそういう個体の開翅の撮影方法を模索しているという状況である。 それでもあえてこの時期のルーミスの撮影に出かけるのは、やはり下草や岩ではなくカシの葉で開翅する姿を見たいことと、千葉では低温期でもかなりきれいな個体が撮影されていることから、紀伊半島でもそのような個体に巡り会えるのではないかというかすかな希望があるためである。 結局、この日はカシの葉にとまる姿の撮影はできたが新鮮個体に出会うことはなく、朝から昼過ぎまで梢をとぶルーミスシジミやムラサキシジミをのんびりと眺めていた。 〈戻る〉
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