2022年5月23日 長野県阿南町 ベニモンカラスシジミ

 2025年1月公開: 2025/1 同好会誌上に掲載され、公知情報となったため

 三年連続して阿南町のベニモンカラスシジミを撮影に行った。すでに♀の産卵時期であるので♂はややスレた個体が多かった。

静止するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日
静止するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日

 ハルジョオンで吸蜜する姿を何度か見かけた。

吸蜜するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日
吸蜜するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日

 ♀は樹林から不意に飛び出して灌木上に静止するのを時々見かけた。

静止するベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日
静止するベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日

 交尾する個体も2組観ることができた。

交尾するベニモンカラスシジミ♂♀ 長野県阿南町 2022年5月23日
交尾するベニモンカラスシジミ♂♀ 長野県阿南町 2022年5月23日

 広角画像も撮影できた。

交尾するベニモンカラスシジミ♂♀長野県阿南町 2022年5月23日
交尾するベニモンカラスシジミ♂♀ 長野県阿南町 2022年5月23日

交尾するベニモンカラスシジミ♂♀ 長野県阿南町 2022年5月23日
交尾するベニモンカラスシジミ♂♀ 長野県阿南町 2022年5月23日

 ハゼノキの小さい花で吸蜜する個体を何度か見かけた。この花は昨年も多くの個体が訪れたので、お気に入りなのだろう。

吸蜜するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日
吸蜜するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日

 この日は暑かったせいか、昼前には行動が不活発になった。下のように2頭の♂が並んでいてもお互いに関心を示していない。

静止するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日
静止するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日

 クロウメモドキの根際に潜り込むと、いくつか蛹を見つけることができた。すでに産卵時期であるのだが、羽化していない蛹がいるということはそうとう個体数が多かったということだろう。

ベニモンカラスシジミ蛹 長野県阿南町 2022年5月23日
ベニモンカラスシジミ蛹 長野県阿南町 2022年5月23日

 飛翔する♂。

飛翔するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日
飛翔するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日

 夕刻になっても葉上に静止する♂を観ることができた。不活発で単に静止しているだけのようである。

静止するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日
静止するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日

 飛翔する個体を撮影することができた。この日はパストを使わなかったので、葉に向かう姿が撮れた。

飛翔するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日
飛翔するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日

明るかったせいか300o × 1.4テレコンでも良好な解像である。

飛翔するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日
飛翔するベニモンカラスシジミ♂ 長野県阿南町 2022年5月23日

 このポイントで確認できている大きな食樹は一本だけである。午後にはその周囲を緩やかに飛翔する♀を観ることができた。

飛翔するベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日
飛翔するベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日

 翅表はほとんど橙色斑がない。

飛翔するベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日
飛翔するベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日

 食樹の葉に止まった後、葉陰に潜り込んで産卵を開始する。

静止するベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日
静止するベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日

 この♀はしばらくこの姿勢でじっとしていたが、その後に卵を確認することができた。

産卵するベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日
産卵するベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日

 下の♀は長い間この姿勢だったが、卵の確認はできなかった。

産卵するベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日
産卵姿勢をとるベニモンカラスシジミ♀ 長野県阿南町 2022年5月23日

 ここのベニモンカラスシジミは昨シーズンの後に昆虫雑誌に掲載されるという情報だったが、結局発表されることなく今年のシーズンを迎えた。つまり、もう一シーズン撮影の猶予が与えられたことになる。ふたを開けてみると今年は非常に個体数が多く、撮影機会は多かった。それにしてもこのポイントではクロウメは大小2本しか確認できていない。♀は何頭もその大きい食樹に産卵に来るので、付近にもっと良好な食樹があるようにも思えない。近隣の場所や下條村には、食樹の大木が何本も並んでいるよさそうな場所もあるのに、見かける個体数は少ない。何故こういう現象が起こるかが不思議である。

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