2023年7月 三重県鈴鹿山脈 キリシマミドリシジミ
鈴鹿山脈の麓に住んでいるので、7月に入るとキリシマミドリシジミの発生状況が気になる。本種が活発に飛び始めるのは7月下旬なのでしばらく先なのだが、裏面だけならば木陰で休んでいる個体を撮影できる可能性があるので、足下のヒルを気にしながら鈴鹿の山に入ってみた。この時期に見る個体は新鮮で美しい。
![]() 静止するキリシマミドリシジミ♀ 三重県いなべ市 2023年7月11日 ♂もきれいな個体の裏面を撮影したかったのだが、なかなか撮影できなかった。それでも何度かめの撮影でアカガシの休眠芽で吸汁する個体を見ることができた。 ![]() 吸汁するキリシマミドリシジミ♂ 三重県菰野町 2023年7月19日 今シーズンは昨年見つけた飛翔撮影ポイントでの撮影を楽しみにしていた。そこでは7月21日に飛ぶ個体を1頭だけだが目撃したので、「さあ、これから」と思っていたが、その後はほとんど活動する個体を見ることがなかった。こういうのもキリシマの不思議なところである。それでも少ないチャンスで何枚かはその姿を捉えることができた。 ![]() 飛翔するキリシマミドリシジミ♂ 三重県菰野町 2023年7月21日 ![]() 飛翔するキリシマミドリシジミ♂ 三重県菰野町 2023年7月21日 光の当たり方や翅の角度で金緑色に光る。こういう色調がキリシマらしいと思う。 ![]() 飛翔するキリシマミドリシジミ♂ 三重県菰野町 2023年7月21日 広角レンズでの撮影なのだが、背景がアカガシの枝ばかりだとイマイチ広がりが感じられない。 ![]() 飛翔するキリシマミドリシジミ♂ 三重県菰野町 2023年7月21日 このあと7月25日を過ぎてもキリシマミドリの活動は低調だったので、今年は不作年かと諦め始めていた。しかし7月中旬の不活発時に見かけた個体数はそれほど少ないようには感じなかったので、今ひとつ納得できない気分だった。 ところが7月28日になり、急にキリシマミドリが活動を始めたという情報をいただいた。それまで高温で乾燥した日が続いていたので、前日にあった夕立が効いたのかもしれない。さっそく出かけてみると、そこそこの個体数が飛んでいる。遠くて証拠写真程度だが、葉先でテリを張る姿も撮影できた。 ![]() 静止するキリシマミドリシジミ♂ 三重県いなべ市 2023年7月29日 翌日、もう一度 飛翔撮影ポイントに出かけてみると、昨年より個体数は少ないものの、何度かシャッターを切るチャンスがあった。 ![]() 飛翔するキリシマミドリシジミ♂ 三重県菰野町 2023年7月30日 カメラを渓間の方向に向けると、遠い山なみも背景に写し込める。 ![]() 飛翔するキリシマミドリシジミ♂ 三重県菰野町 2023年7月30日 これが今年のベストショット。背景の山なみを入れて翅表を撮るには蝶が旋回する時に撮る必要がある。もちろんこれは偶然の結果なのだが、この時期にしては無傷の個体であったことを含め、非常にラッキーな一枚になった。 ![]() 飛翔するキリシマミドリシジミ♂ 三重県菰野町 2023年7月30日 今年のキリシマミドリシジミの撮影は、早くから気合いを入れて何度も出かけた割にはなかなか成果は上がらなかった、確かな根拠はないのだが、雨が少ない猛暑が活動開始を遅らせたという可能性を感じる。素速く飛ぶキリシマミドリシジミだが、蝶が飛ぶコースを狙えば、飛翔姿は何とか撮影できるようにはなってきた。残るのは今年も実現できなかったきれいな開翅姿の撮影になるが、キリシマミドリシジミの生態の理解が進むにつれて、よけいにその難しさを感じるようになった。なかなか道のりは遠そうである。 〈戻る〉
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