2023年6月5〜16日 モンゴル 05 ヒメミヤマセセリ、 カラフトタカネキマダラセセリ
この時期は至る所に可憐なサクラソウが花をつけているのを見た。でもこの花で吸蜜する蝶の姿を見ることはできなかったのが残念だった。また日を追うごとに花がどんどん劣化して萎れていく姿を見ていると、季節の進みのピッチを目の当たりにしたような感じがした。たしかに日本では春から秋まで半年かけて進むのだが、モンゴルではその半分くらいの期間で進んでしまう感じだ。
![]() ヒメミヤマセセリの翅の表は見るからに日本のミヤマセセリと同じような模様、色調をしている。ただ、少しボケたような斑紋なので、この個体が新鮮かどうかよくわからなかった。 ![]() ヒメミヤマセセリ♂ バヤンチャンドマン 2023年6月9日 もう少し翅を開いたところを一枚。縁毛の脱落はそれほど多くはないので、それなりにきれいな個体なのだろう。 ![]() ヒメミヤマセセリ♂ バヤンチャンドマン 2023年6月9日 このヒメミヤマセセリの背景は思いのほか緑色が多いのに気がついた。日本のミヤマセセリも早春の蝶だが、まだ緑が少ない枯れ野の時期に活動する。 ![]() ヒメミヤマセセリ♂ バヤンチャンドマン 2023年6月12日 林道の草地でテリ張り行動をとっていたのを撮影できた。 ![]() ヒメミヤマセセリ♂ バヤンチャンドマン 2023年6月9日 この蝶の裏面はほとんど斑紋がなく無地に近い。神様が手を抜いたのではないだろうけど、このあたりは日本のミヤマセセリとはかなり異なる。このように翅の表には模様があるのに、裏面は無地に近いような感じの蛾がいるので、この蝶は本当に蛾に近いのだろうかと思ってしまう。 ![]() ヒメミヤマセセリ♂ バヤンチャンドマン 2023年6月9日 湿った地面での吸水行動や道端でのテリ張り行動が多く、あまり大きく飛ぶような移動が少なかったので、飛翔姿を何枚かを押さえることができたのは幸いだった。日本ではミヤマセセリを見かけても、動きが活発すぎて撮れないことが多い。 ![]() ヒメミヤマセセリ♂ バヤンチャンドマン 2023年6月9日 ![]() ヒメミヤマセセリ♂ バヤンチャンドマン 2023年6月9日 こういう見晴らしの良い草の葉の上でテリを張る。 ![]() ヒメミヤマセセリ♂ バヤンチャンドマン 2023年6月12日 テリ張り場所の近くを活発に飛翔する。 ![]() ヒメミヤマセセリ♂ バヤンチャンドマン 2023年6月12日 ヒメミヤマセセリだけだとあまりに色彩面で寂しいので、カラフトタカネキマダラセセリの吸蜜ショットも掲載しておく。本来ならば一つ前のギンモンキマダラセセリと同じ属なのでそちらに含めた方が良かったのかもしれない。日本にいるものより翅表の黒斑が小さく、個体が新鮮だったこともあるがかなり黄色が強い印象の蝶だった。 ![]() カラフトタカネキマダラセセリ♂ セレンゲ県 2023年6月10日 林床に咲く釣り鐘状の青い花で吸蜜していたので、色彩の対比が鮮やかだった。 ![]() カラフトタカネキマダラセセリ♂ セレンゲ県 2023年6月10日 今回、一緒にモンゴルに出かけた I さんはもう7回目ということだが、ヒメミヤマセセリはこれまで見たことがない種とのことだった。それくらいこれまでにくらべると違う(早い)時期に出かけたということになる。このように早い時期の訪問はおそらくこれが最後になるだろうと思う。 〈戻る〉
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