2024年7月5日 北海道 2 旭川市 ウラジャノメ
早朝のゼフィルス撮影のあとは旭川市へ移動してウラジャノメを観に行った。林道を歩いて緩やかに飛んでいるウラジャノメを最初に見たとき、「色が薄い!、これはもうボロか?」と思ったが、よく見ると縁毛は揃っており鱗粉の状態も悪くない。
![]() 静止するウラジャノメ 北海道旭川市 2024年7月5日 このように翅を開くと、しっとりとして鮮度がよいことがわかる。 ![]() 開翅するウラジャノメ♀ 北海道旭川市 2024年7月5日 ふだん見慣れている本州のものとは裏面の白帯の巾が違うのでかなり印象が違う。このことから北海道産は別亜種とされる。 ![]() 静止するウラジャノメ♀ 北海道旭川市 2024年7月5日 日射しがきつく北海道とは思えないほど気温も高く、人間もへばっていたが蝶も暑いのだろうとおもう。緩やかに飛んで日陰の下草の葉上によく静止していた。 ![]() 開翅するウラジャノメ♀ 北海道旭川市 2024年7月5日 このように♀はきれいなのだが♂はやはりちょっとスレている。しかも個体数が少ない。まだ♂が死に絶えるほどの時期でもないだろうから、やはり採集の影響があるのだろうと思う。この日も林道で複数の採集者を見かけた。 ![]() 飛翔するウラジャノメ♂ 北海道旭川市 2024年7月5日 裏面を狙うと目玉模様がたくさん並んでいるのを撮れる。飛翔で裏面を撮れば左右合計20個くらいをならべることができ、日本産蝶類で最多になる。ヒメウラナミジャノメの種小名の argus はウラジャノメにこそふさわしいのではないかと思ってしまう。 ![]() 飛翔するウラジャノメ♂ 北海道旭川市 2024年7月5日 もう少し樹幹から離れたタイミングで撮れたら良かったように思う。 ![]() 飛翔するウラジャノメ♂ 北海道旭川市 2024年7月5日 昼前には林床の下草の上を緩やかに飛翔する♀を何度か見かけた。 ![]() 飛翔するウラジャノメ♀ 北海道旭川市 2024年7月5日 林床に茂る細いスゲのような草が食草なのだろう。 ![]() 飛翔するウラジャノメ♀ 北海道旭川市 2024年7月5日 北海道の山には大きな葉のフキが多くあるが、それとスゲの間にできる空間を飛翔していた。 ![]() 飛翔するウラジャノメ♀ 北海道旭川市 2024年7月5日 ![]() 飛翔するウラジャノメ♀ 北海道旭川市 2024年7月5日 撮影していると飛んでいた♀が下草の葉上に静止して腹を軽く曲げて静止した。これは本種とジャノメチョウで観察されている「放卵」のようだ。ところが急いで駆け寄ってカメラを構えてしばらく待っても、なかなかその気配がない。 ![]() 静止するウラジャノメ♀ 北海道旭川市 2024年7月5日 そこでカメラを静止用から連写の設定にしている飛翔用に持ち替えて撮影してみた。残念ながら明瞭ではないのだが、連写したなかに腹端に白いものが写っている一枚があった。この白いものは前後のショットにはなかったので、これが卵なのだろう。 ![]() 放卵するウラジャノメ♀ 北海道旭川市 2024年7月5日 この♀の静止も腹を曲げていたので放卵中だったのかもしれない。単なる開翅では上から二枚目の姿のように腹は上からよく見える。 ![]() 開翅するウラジャノメ♀ 北海道旭川市 2024年7月5日 これまでふれなかったがこの旭川市の産地を訪れるということは、眼状紋の中に白点がない「メナシ型」を狙ってのことである。メナシ型は最後に見た一頭がそうだったという程度のいわゆる証拠写真が撮れたにとどまった。 ![]() 静止するウラジャノメ♀ 北海道旭川市 2024年7月5日 こうしてかろうじてメナシ型も撮ることができた。二年前とあわせてここでは20頭くらいのウラジャノメを見かけたが、メナシ型は一頭だけだったのでその発生率は高くはないものなのだろう。また、草の葉に止まって空中から産卵する「放卵」という現象も観ることができたのは興味深かった。 〈戻る〉 |