2025年5月中下旬 愛知県知多半島
今年の5月は何度か愛知県の知多半島を訪れたが、梅雨の走りのような曇り空が多く、全般に天候が良くなかったことと、高速道路の集中工事渋滞でアクセスしにくくなったことで思うような成果にはならなかった。
はじめはイボタの葉陰に静止しているウラゴマダラシジミ。鮮度は良かったので、今年はやはり昨年よりは少し発生が遅れている感じ。 ![]() 静止するウラゴマダラシジミ♂ 愛知県美浜町 2025年5月18日 昨年からゴマダラチョウの飛翔を海背景で撮れるところを探していたのだが、ようやく良さそうな場所を見つけることができた。 まず漁港の堤防を背景にした飛翔姿。オオムラサキとは違って人の営みに近い場所にも住んでいるのがゴマダラチョウなのだろう。 ![]() 飛翔するゴマダラチョウ♂ 愛知県南知多町 2025年5月19日 曇り空だったので海も空も白っぽいグレーになってしまっているのが残念。これでは海を背景にした意味が無い。 ![]() 飛翔するゴマダラチョウ♂ 愛知県南知多町 2025年5月19日 海背景であればやはり碧い海と空を写し込みたい。ということで時期はやや遅いとは思ったのだが、貴重な晴れ間が予想されているこの日も出かけてみた。スッキリとした空の色を期待したのだが、この日も薄くモヤがかかったような天候で残念だった。 ![]() 飛翔するゴマダラチョウ♂ 愛知県南知多町 2025年5月28日 海を背景に飛翔する姿はなんとか捉えることができたが、曇り空の時とは異なり、非常に敏捷に飛ぶことに驚いた。 ![]() 飛翔するゴマダラチョウ♂ 愛知県南知多町 2025年5月28日 これはメジロとのニアミス。双方にピントが合っているので近いところを飛んだはずなのだが、蝶ばかり追っていたので撮影時には全く気がつかなかった。このゴマダラチョウは大きく破損しているが、面白い一枚になった。 ![]() 飛翔するゴマダラチョウ♂ 愛知県南知多町 2025年5月28日 知多半島といえばこの冬に昆虫雑誌に発表されたキナンウラナミアカシジミが話題になったが、愛知県初の発見に水を差すような放蝶情報に振り回された。下の個体はウバメガシの短時間のルッキングで見つけたのだが、そんなことで見つかるほどにも個体数は多くなっているのだろう。報告されているように僅か二頭の♀から増えたのだろうかと思ってしまう。 ![]() 静止するキナンウラナミアカシジミ♂ 愛知県南知多町 2025年5月28日 この蝶は三重県で何度も撮影しているのだが、いまだに何時頃に活動するのかがよくわからない。この日もそれを確認するため、ずっとウバメガシの枝先を見張っていたのだが15:30に小飛しただけ。そして別のもう一頭だけが同じ頃に軽く飛んだのみで、やはり活発な飛翔活動の確認はできなかった。16:30には風が冷たくなってきたので終了としたが、これまで日中でも交尾する個体を何度も見ているので、名義亜種のようにそんなに遅い時刻にならないと活動をしないとは思っていないのだが、実際のところはどうなのだろう。 ![]() 飛翔するキナンウラナミアカシジミ♂ 愛知県南知多町 2025年5月28日 遠かったので証拠写真のみの撮影に終わってしまった。 ![]() 飛翔するキナンウラナミアカシジミ♂ 愛知県南知多町 2025年5月28日 何年か前に知多半島のウラゴマダラシジミを撮影していたときにゴマダラチョウが飛ぶのを見かけた。付近にはエノキが非常に多いのに気がついたので、それからは海が背景になる撮影ポイントを意識して歩いていた。ゴマダラチョウは樹冠から樹冠へと流れるように飛翔し、海背景といってもミカドアゲハのように広角で撮れるほど接近できるような蝶ではないので、どうしても望遠レンズを振り回すことになる。カメラ、蝶、背景の島の距離の関係から同じような雰囲気の写真になってしまうのは仕方が無いとは思うのだが、これからいろいろ工夫してこの蝶の良さを引き出していきたい。 〈戻る〉 |