2020年8月24日 三重県大紀町 クロマダラソテツシジミ
今年はクロマダラソテツシジミの来襲が早いとのことで、兵庫県や愛知県から発生の報告が聞こえてきた。それならば三重県でも当然発生しているだろうということで、昨年何度か訪れた場所を歩いてみた。ソテツはいかにも食べ頃の柔らかな新芽を付けている。
![]() 探し始めてしばらくして目的のクロマダラソテツを見つけることができた。 ![]() 開翅するクロマダラソテツシジミ♂ 三重県大紀町 2020年8月24日 よく見るとソテツの葉には何頭か止まっているのが確認できた。 ![]() 静止するクロマダラソテツシジミ♂ 三重県大紀町 2020年8月24日 下の♀は羽化したところだったのか、まだうまく飛べないような個体だった。 ![]() 開翅するクロマダラソテツシジミ♀ 三重県大紀町 2020年8月24日 何頭か見るうちに、やたらに後翅の肛角が黒く見える個体がいることに気がついた。一見すると2年前の秋に見たクロクロツのような雰囲気もあるが、完全に黒くなっているのではなく橙色斑がくすんだようになっており、黒斑とほぼ一体化しているようにも見える。 ![]() 静止するクロマダラソテツシジミ♂ 三重県大紀町 2020年8月24日 こういう個体は他にもおり、くすみの程度が弱い個体も観られた。いずれの個体も大きめの個体で同じ♀から産まれたのではないかということを感じさせた。 ![]() 静止するクロマダラソテツシジミ♀ 三重県大紀町 2020年8月24日 この個体は開翅したので翅表を撮影できた。3枚上の♀の開翅写真と比べると、翅表の橙色斑もやはり裏面と同様にくすんでいる。昨年は多くのクマソを撮影したが、そのほとんどは肛角の橙色斑が縮退した低温期型であり、このような橙色斑がくすんだ色調の個体は見ていない。 ![]() 開翅するクロマダラソテツシジミ♀ 三重県大紀町 2020年8月24日 近くのソテツの葉上で、交尾をする♂♀を見つけた。これらの個体の肛角は普通の橙色をしている。 ![]() 交尾するクロマダラソテツシジミ♂♀ 三重県大紀町 2020年8月24日 ![]() 交尾するクロマダラソテツシジミ♂♀ 三重県大紀町 2020年8月24日 今年のクマソの飛来は昨年よりかなり早い。この場所でもソテツの柔らかな芽があり、成虫もそこそこ見られるので、次の世代は大きく個体数が増えるのだろう。今年はこの勢いで三重県北部まで到達するかとか、秋になって低温期型の青さがどこまで広がるかに加えて、肛角の橙色斑の暗化型がこれからどのようになるかなどのテーマで楽しめそうである。 〈戻る〉
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