2020年11月17日 三重県桑名市 クロマダラソテツシジミ
11月に入りそろそろシーズンも終了が近い中、知人より県北部の桑名市でクロマダラソテツシジミが大発生中との情報をいただいたので、早速確認に出かけた。その日は短時間の確認で数頭の成虫のほか、ソテツの新芽にはいくつもの幼虫が確認できた。
![]() クロマダラソテツシジミ幼虫 三重県桑名市 2020年11月14日 日を改めてもう一度撮影に出かけた。最初は低温期型の裏面から。 ![]() 静止するクロマダラソテツシジミ♂ 三重県桑名市 2020年11月17日 下草に静止し、日射しに反応して開翅する♂が多く観られた。 ![]() 開翅するクロマダラソテツシジミ♂ 三重県桑名市 2020年11月17日 低温になると♀の翅表の青い部分は広くなるが、♂は顕著には変化しない。しかし翅表の光沢感が増すようで、ちょっとメタリックな色調となる。下の♂は多少そのような傾向が現れているようにも見えるが、まだまだこれからだろう。 ![]() 開翅するクロマダラソテツシジミ♂ 三重県桑名市 2020年11月17日 何頭か確認した感じでは、ここではまだ半数くらいは高温期のタイプなので、これからの低温期型への移行が面白いところなのだろう。 ![]() 吸蜜するクロマダラソテツシジミ♂ 三重県桑名市 2020年11月17日 8月頃に大紀町などで確認した後翅肛角の橙色斑がくすんで褐色になるタイプの顕著なものは確認できなかった。また褐色型の薄いものは高温期型のスレ個体と紛らわしいので、これもよくわからなかった。これから低温期型に移行すると、肛角の橙色斑は縮退する方向なので、さらに判別がしにくくなる。 ![]() 静止するクロマダラソテツシジミ 三重県桑名市 2020年11月17日 ♀もかなり青くなりはじめているが、♂に比べて♀は翅を開くことが少なく、撮影チャンスは多くなかった。 ![]() 開翅するクロマダラソテツシジミ♀ 三重県桑名市 2020年11月17日 広角の飛翔画像は掲載しにくいので、枯れ草の上を飛翔する姿を。 ![]() 飛翔するクロマダラソテツシジミ♂ 三重県桑名市 2020年11月17日 ![]() 飛翔するクロマダラソテツシジミ♀ 三重県桑名市 2020年11月17日 開翅中の新鮮な♀が♂に求愛されている。 ![]() 求愛行動をするクロマダラソテツシジミ♀♂ 三重県桑名市 2020年11月17日 下の♂♀はまだまだ高温期の姿をしている。 ![]() 求愛行動をするクロマダラソテツシジミ♀♂ 三重県桑名市 2020年11月17日 低温期型の♀と高温期型の♂の組み合わせ。ソテツの新芽はまだ残ってはいるが、今から産卵しても次の世代はさすがに無理かもしれない。 ![]() 交尾するクロマダラソテツシジミ♀♂ 三重県桑名市 2020年11月17日 今年はクロマダラソテツシジミの出現が早く県南部ではあちこちで確認できており、さらに東の愛知県や静岡県、さらには関東でも発生が確認できている。しかし伊勢湾の三重県側ではなかなか動きがつかめていなかった。伊勢湾西岸を北西方向には回り込みにくいのは、ヤクシマルリシジミやサツマシジミの東進でも同じような傾向があるので、共通の要因があるのだろう。これから寒くなるにつれて、クロマダラソテツシジミの斑紋や色彩がどのように変化していくかを観るのも楽しみである。 〈戻る〉
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