2022年9月27日〜10月4日 沖縄本島 15 ヒメイチモンジセセリ
南の島に何度か撮影に出かけていると、出来不出来はともかく、たいていの種類は撮影できてしまう。しかし迷蝶は別として残りがちになるのが、あまり目立たない茶系のセセリの仲間かもしれない。私の場合もこのヒメイチモンジセセリとトガリチャバネセセリの写真の蓄積が乏しい。 昨年の10月に石垣島へ一週間出かけたときも、ヒメイチモンジセセリの探索にはかなり時間を費やしたのだが、スレた個体をわずか一頭だけしか見ることができなかった。今回、沖縄本島に着いて那覇空港から滞在する名護に移動する間にダメ元で探索してみようと思って歩き回ったところ、何とかヒメイチモンジセセリの姿を見ることができた。
はじめはセンダングサに静止する新鮮な個体。口吻を伸ばしていないので吸蜜ではなくてテリ張りだったかもしれない。 静止するヒメイチモンジセセリ♂ 沖縄県金武町 2022年10月2日 これは吸蜜している個体。 静止するヒメイチモンジセセリ♂ 沖縄県金武町 2022年10月2日 開翅すると後翅中央の斑紋が特徴的である。イチモンジセセリとは前翅中室の斑紋の有無も大きな区別点となる。 静止するヒメイチモンジセセリ♂ 沖縄県金武町 2022年10月2日 花から花へ移るときに飛翔姿を撮影した。 飛翔するヒメイチモンジセセリ♂ 沖縄県金武町 2022年10月2日 下の個体は鮮度は良いのだが後翅に切れがあるのが残念。ヒメイチモンジの個体数は多くはなかったのでこういう個体も大切に撮影した。飛ぶと見失うことが多いので、パスト連写での飛び立ち飛翔も積極的に活用した。 飛翔するヒメイチモンジセセリ♂ 沖縄県恩納村 2022年10月2日 名前の通りイチモンジセセリよりも一回り小さいため、慣れてくると飛んでいるを見たときにおおよそ見当がつく。ただチャバネセセリも多いので、これが紛らわしい。たしかに裏面を見るとイチモンジセセリよりはむしろチャバネセセリの方が斑紋の感じが似ているかもしれない。 飛翔するヒメイチモンジセセリ♂ 沖縄県金武町 2022年10月3日 下のように後翅表面が写ったショットならば、間違いなく同定できる。 飛翔するヒメイチモンジセセリ♂ 沖縄県金武町 2022年10月3日 下は♀と思われる個体でセンダングサの花を飛び移りながら吸蜜していた。♀は後翅表面の白点列が目立つが、イチモンジセセリほどは明瞭ではない。 飛翔するヒメイチモンジセセリ♀ 沖縄県金武町 2022年10月3日 下の個体も腹部の膨らみ、単子葉植物の葉に止まる様子などからみて♀と思われるもの。 静止するヒメイチモンジセセリ♀ 沖縄県恩納村 2022年10月3日 上と同一の個体の飛翔。 飛翔するヒメイチモンジセセリ♀ 沖縄県恩納村 2022年10月3日 ヒメイチモンジセセリの分布は奄美大島以南とされているが、最近の奄美では記録がほとんどないらしい。八重山でもそれほど多い種ではなく、昨年の秋に一週間探して見かけたのがわずか一頭だけだったというのは前述の通りである。そのためほとんど期待していなかった沖縄本島でその姿を見ることができたのはとてもうれしかった。この一週間の沖縄本島でもっとも興奮した瞬間でもあった。もし沖縄本島でヒメイチモンジを見ることができなければ、一ヶ月後に石垣島への訪問も頭にあったが、今回の成果で見合わせることにした。 〈戻る〉
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