2021年7月15日 長野県大鹿村 ホシミスジ、フタスジチョウ
2017年発刊の「日本と世界のホシミスジ」では、日本国内の変異に基づいて多くの亜種が示されている。その区分については微妙に感じるところがあるのだが確かにおもしろい面もある。それに影響された私は今年の初夏には紀伊山地亜種とされる奈良県の十津川村での撮影も試みている。信州では名義亜種とされる個体群があちこちにいるようだが、その分布の端では変異があるようで大鹿村のこの産地は白帯の発達が悪く、黒くなる個体が多いとされているので、それを確認したく思って出かけてみた。ここでは蛇紋岩地帯に自生するイワシモツケで発生している。
![]() この日は朝から雨模様で、昼過ぎの一時間ほどの止み間にいそいで撮影した。短時間で不十分だったが、いくつかの個体を撮影することがきた。しかし印象としては変異の幅は広いものの、個体群としてはそれほど黒いという感じではなかった。本種の変異は黒いかどうかという大雑把な括りだけでは論じられないのだろうけど、以下にいくつかの個体を提示した。 ![]() 開翅するホシミスジ 長野県大鹿村 2021年7月15日 下は白帯が明瞭な個体。 ![]() 開翅するホシミスジ 長野県大鹿村 2021年7月15日 すでに♂は汚損した個体が多く、食草に産卵する♀も観られた。 ![]() 産卵するホシミスジ 長野県大鹿村 2021年7月15日 広角で撮影するとこのような感じ。 ![]() 産卵するホシミスジ 長野県大鹿村 2021年7月15日 ホシミスジは数メートルくらいの高さの梢の上を飛ぶことが多かったが、時々は低いところに降りてくる。 ![]() 飛翔するホシミスジ 長野県大鹿村 2021年7月15日 ![]() 飛翔するホシミスジ 長野県大鹿村 2021年7月15日 静止姿を撮影することはできなかったが、下のような個体であれば確かに黒いと言える。それほど多くの個体を見たわけではないのだが、こういうのはこれ一頭だけだった。それとも黒化したタイプがもっと多い産地が他にあるのかもしれない。 ![]() 飛翔するホシミスジ 長野県大鹿村 2021年7月15日 同じところでイワシモツケを食べているフタスジチョウも撮影することができた。 ![]() 開翅するフタスジチョウ 長野県大鹿村 2021年7月15日 イワシモツケの枝の先端に静止する個体。 ![]() 開翅するフタスジチョウ 長野県大鹿村 2021年7月15日 ![]() 飛翔するフタスジチョウ 長野県大鹿村 2021年7月15日 ![]() 飛翔するフタスジチョウ 長野県大鹿村 2021年7月15日 この日はホシミスジではなく別の蝶を目的にでかけたのだが、中央高速道が事故による車両火災があり、高速道路上で2時間半も止められることになった。そのため思っていた時刻に到達できなくなってしまった。そこで以前から気にはなっていた大鹿村のホシスジを観に行った次第。ここの様子は分かったので、次回はもう少し天気の良い日に出かけてみたい。 〈戻る〉
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