2022年11月27日 三重県紀宝町 ルーミスシジミ
昨年に続いて三重県南部の紀宝町へルーミスシジミを観に行った。
この辺りの山林は照葉樹林と植林地が混在しているが、谷間には紅葉も多少は見られるので深まりつつある秋を感じることができる。 この日は朝から気温が高く、9時半に到着したときにはすでに樹上で活動しているルーミスシジミを確認できた。 静止するルーミスシジミ 三重県紀宝町 2022年11月27日 早速レンズを300o+テレコンに交換して陽当たりのよいアラカシの葉上をチラチラと飛翔するルーミスシジミを撮影した。 飛翔するルーミスシジミ 三重県紀宝町 2022年11月27日 晩秋のこの時期なので紅葉背景の飛翔を撮ろうとちょっとがんばったのだが、ルーミスは紅い葉にはなかなか近づいてくれなかった。 飛翔するルーミスシジミ 三重県紀宝町 2022年11月27日 陽が高くなれば暖を求めてもっと陽当たりの良いところへ降りてくるのかと期待していたが、ルーミスの行動はそう単純ではなく10時を過ぎる頃には活動する個体をあまり見かけなくなった。おそらく日光浴をする枝先を決めてじっとしているのだろう。もう少し風が強ければ梢の葉にしがみついているのも大変なので、風当たりの弱い低いところに降りてくるかもしれない。しかし風が穏やかなこの日であれば、陽当たり重視でじっとしている方が飛び回るよりエネルギーの消費は少ないので合理的である。 それでも何とかならないものかとずっと樹上を見上げていると、おそらく♀と思われる一頭が低いところに降りてきた。 静止するルーミスシジミ 三重県紀宝町 2022年11月27日 この個体はさらに地面の枯れ葉にまで降りてきて開翅をした。さすがに11月も末なので鮮度は望むべくもないが、季節感を味わいたくて毎年この時期のルーミスに会いに来ている。 静止するルーミスシジミ 三重県紀宝町 2022年11月27日 正午に近くなった頃には、飛翔する個体が枝に残った茶色い枯れ葉に惹き寄せられる姿を見かけた。 飛翔するルーミスシジミ 三重県紀宝町 2022年11月27日 この個体も枯れた葉が密集している枝の周囲を飛んでいる。 飛翔するルーミスシジミ 三重県紀宝町 2022年11月27日 10m近くあるおそらくクマノミズキと思われる大木の梢の周りを飛翔したり静止したりする個体を見つけた。このようなてっぺんでも日光浴ができるほど、この日は穏やかな日だった。 静止するルーミスシジミ 三重県紀宝町 2022年11月27日 下からはほぼ真上を見上げるばかりなので翅表はこの程度しか写せなかった。このあと、このルーミスは左の丸まった枯れ葉の中に収まって翅を閉じた。 飛翔するルーミスシジミ 三重県紀宝町 2022年11月27日 この個体はすっかり陽がかげってしまうまでこのままだったので、今日はここで夜を明かすのだろう。ルーミスシジミが就寝するのは何度か確認している(たとえば2016.12.2、2017.10.26)が、これまではカシやシイのこみ合った葉陰、とくに葉が枯れた茶色い部分に静止するのばかり見ていたのでちょっと意外な場所だったが、丸まった葉の中なので落ち着く感じではある。 静止するルーミスシジミ 三重県紀宝町 2022年11月27日 ミズキの全景を撮るとこのような感じで、矢印のあたりがルーミスがいるところ。地面から10m近くの梢の先である。この日は風が弱かったのでこういう場所でも大丈夫だろうけど、ちょっと強めの北風が吹くと簡単に飛ばされてしまいそうだ。 こうして午前中の3時間程度、ルーミスシジミが活動する様子を観察・撮影した。この日見た就寝場所はこれまで見たことがない意外な場所だったのが面白かった。 もう少し早い時期に訪れたかったのだが、紀勢道、尾鷲熊野道路の工事が続いたことと、天候の都合が合わなかったので月末になってしまった。蝶の鮮度はよくなかったのだが面白い一日だった。 〈戻る〉
|